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オートファジーがSARS-CoV-2にあえぐ

Autophagy chokes on SARS-CoV-2

Editor's Choice

Sci. Signal. 09 Mar 2021:
Vol. 14, Issue 673, eabh3628
DOI: 10.1126/scisignal.abh3628

Annalisa M. VanHook

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA. Email: avanhook@aaas.org

G. Miao, H. Zhao, Y. Li, M. Ji, Y. Chen, Y. Shi, Y. Bi, P. Wang, H. Zhang, ORF3a of the COVID-19 virus SARS-CoV-2 blocks HOPS complex-mediated assembly of the SNARE complex required for autolysosome formation. Dev. Cell 56, 427-442.e5 (2021).
Google Scholar

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33422265/

W. W.-Y. Yim, N. Mizushima, Autophagosome maturation stymied by SARS-CoV-2. Dev. Cell 56, 400-402(2021).
Google Scholar

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33621488/

SARS-CoV-2のORF3aがオートファゴソームとリソソームの融合を阻止する。

要約

オートファジーは病原体を除去するための主要な機構であり、多くの細菌とウイルスが宿主細胞におけるオートファゴソームの形成または成熟を妨害するための戦略を発達させている。Miaoらは、COVID-19パンデミックの原因となるコロナウイルスSARS-CoV-2にコードされているタンパク質によるオートファジーへの影響を体系的に評価した。HeLa細胞に無傷のSARS-CoV-2を感染させる、またはSARS-CoV-2の膜貫通型タンパク質ORF3aを発現させると、オートファゴソームおよびアンフィソーム(エンドソームと融合したオートファゴソーム)とリソソームの融合が遮断されることによってオートファジーが阻害された。ORF3aは主に細胞内の後期エンドソームとリソソームに局在し、in vitroで同型融合およびタンパク質選別(HOPS)複合体の複数のメンバーと間接的に相互作用し、HOPS構成要素のVPS39と直接的に相互作用した。HOPS複合体は後期エンドソーム表面とリソソーム表面に存在し、オートファゴソーム表面でSNAREタンパク質と相互作用して融合可能なSNARE複合体の形成を促進する。ORF3aはVPS39と共局在し、VPS39とHOPS複合体の他の構成要素を後期エンドソーム表面とリソソーム表面に蓄積させ、HOPS複合体とオートファゴソームのSNARE構成要素STX17との相互作用を妨害することによってSNARE複合体の形成を抑制した。ORF3aを発現する細胞において、SNARE複合体の形成を阻害するO結合型β-N-アセチルグルコサミン(O-GlcNAc)トランスフェラーゼであるOGTをノックダウンさせることによってSNARE複合体の形成を誘導すると、欠損していたオートファジーが回復した。オートファジーの阻害もVPS39との相互作用も、SARS-CoV由来のORF3aでは観察されなかった。また、著者らは、宿主細胞のオートファジーを妨害するSARS-CoV-2タンパク質を他にも3つ同定したことから(Yim and Mizushima参照)、この細胞防御経路の遮断が宿主細胞内でのSARS-CoV-2の生存と複製に重要であることが示唆されている。

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2021年3月9日号

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