体重を増やす旨い方法

A savory way to gain weight

Editor's Choice

SCIENCE SIGNALING
19 Oct 2021 Vol 14, Issue 705
DOI: 10.1126/scisignal.abm8452

WEI WONG

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA. Email: wwong@aaas.org

A. Andres-Hernando, C. Cicerchi, M. Kuwabara, D. J. Orlicky, L. G. Sanchez-Lozada, T. Nakagawa, R. J. Johnson, M. A. Lanaspa, Umami-induced obesity and metabolic syndrome is mediated by nucleotide degradation and uric acid generation. Nat. Metab. 3, 1189-1201 (2021).
CROSSREF  PUBMED  GOOGLE SCHOLAR

L. R. Beutler, Umami taste-a novel mechanism driving food intake and obesity. Nat. Metab. 3, 1142-1143 (2021).
CROSSREF  PUBMED  GOOGLE SCHOLAR

うま味の強い食物を過剰摂取すると、尿酸の産生を介してメタボリックシンドロームが引き起こされる可能性がある。

要約

味覚受容体はわれわれの食べ物の好みを形成する。市販の甘味料として使用量が増加しているフルクトースは、甘味受容体を活性化するが、フルクトースを過剰摂取すると、肥満やメタボリックシンドロームが引き起こされる可能性がある。フルクトースの代謝物が酵素AMPD2を活性化し、ヌクレオチドのイノシン一リン酸(IMP)を産生させ、IMPは分解されて尿酸になり、酸化ストレスを引き起こす。ヒトには食物中の塩分を感知する味覚受容体もあり、高塩分食によって誘発される代謝変化は、フルクトース代謝の抑制によって阻止される。この知見から、Andres-Hernandoらは、フルクトース代謝に関与する要素が、うま味の強い食物の摂取により引き起こされる肥満発生のリスク上昇にも関与するかどうかを調べた(Beutlerによる解説記事も参照)。この味覚要素はsavory(滋味、風味)としても知られており、多くの種類の食物に存在するグルタミン酸ナトリウム(MSG)の形で遊離グルタミン酸を認識する味覚受容体の活性化によってもたらされ、IMPによって増強される。MSGを飲料水に加えると、マウスの摂食量が増加し、体重増加が進み、血清中尿酸濃度が上昇した。ニューロンまたは肝細胞でAMPD2を遺伝的に欠損させると、MSGを添加した水への嗜好性は低下した。さらに、ニューロンのAMPD2欠損によって視床下部における尿酸濃度が低下した。MSGによって誘発されたメタボリックシンドロームは、AMPD2の全体的または肝細胞特異的な欠損によって軽減された。一方、IMPを添加すると、MSG誘発性の、レプチン抵抗性を含むメタボリックシンドロームが増強され、これは肝臓または脳のAMPD2遺伝的除去によって改善した。尿酸の産生を薬理学的に阻害すると、MSGとIMPの添加によって誘発される代謝機能障害が防止された。著者らは、甘味や塩味と同様に、うま味は食物摂取を促進するように進化し、その結果過剰摂取をもたらし、尿酸産生を介して、関連する有害な代謝性続発症を引き起こすようになったと提唱している。

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