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GαqによってホスホリパーゼCβ1が刺激されるとストレス顆粒タンパク質の会合が促進される
Stimulation of phospholipase Cβ1 by Gαq promotes the assembly of stress granule proteins
SCIENCE SIGNALING
19 Oct 2021 Vol 14, Issue 705
DOI: 10.1126/scisignal.aav1012
Androniqi Qifti†, Lela Jackson†, Ashima Singla‡, Osama Garwain§, Suzanne Scarlata*
- Department of Chemistry and Biochemistry, Worcester Polytechnic Institute, Worcester, MA 01609, USA.
* Corresponding author. Email: sfscarlata@wpi.edu
† These authors contributed equally to this work.
‡ Present address: SCO 2A Madhya Marg, Sector 7-C, Chandigarh 160007, India.
§ Present address: Agilent Technologies, Santa Clara, CA 95051, USA.
要約
有害条件下では、哺乳類細胞は、翻訳機構をストレス顆粒として知られる膜のない細胞小器官内に隔離することによって、タンパク質の産生を抑制する。われわれは、Gタンパク質サブユニットGαqの活性化が、ホスホリパーゼCβ1(PLCβ1)の細胞質画分に関連する機構を介して、ストレス顆粒タンパク質を含有する粒子の形成を促進することを見出した。PC12細胞およびA10細胞を用いた実験で、基底条件下では細胞質性PLCβ1がPABPC1、eIF5A、Ago2などのストレス顆粒関連タンパク質に結合していることを示した。siRNAを用いて細胞質性PLCβ1をノックダウンするか、Gαqを活性化することによって細胞質性PLCβ1の細胞膜への再局在化を促進すると、これらのストレス顆粒関連タンパク質を含有する粒子が形成された。また、これらの粒子の構成は、浸透圧ストレス下で形成される粒子に類似し、他の種類のストレスに応答して形成される粒子とは異なることも明らかにした。これらの結果は、細胞質性PLCβ1がストレス顆粒タンパク質を可溶化し、細胞質性PLCβ1が活性化されたGαqに移動するとこれらのタンパク質が放出されてストレス顆粒の形成が可能になる、という単純な熱力学的モデルに適合する。まとめると、われわれのデータは、ストレス顆粒の形成を介したGαq共役シグナルとタンパク質翻訳との関連を示すものである。
Citation: A. Qifti, L. Jackson, A. Singla, O. Garwain, S. Scarlata, Stimulation of phospholipase Cβ1 by Gαq promotes the assembly of stress granule proteins. Sci. Signal. 14, eaav1012 (2021).