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受容体
こっそり合図を送る

Receptors
Secretly Signaling

Editor's Choice

Sci. Signal., 19 January 2010
Vol. 3, Issue 105, p. ec18
[DOI: 10.1126/scisignal.3105ec18]

Elizabeth M. Adler

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

7回膜貫通型受容体(7TMR)とヘテロ三量体グアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gタンパク質)の会合は、非常に一般的でよく確立されているた め、このクラスのタンパク質を言及する際、「Gタンパク質共役受容体」(GPCR)という用語が7TMRと互いに同じ意味で使われることがしばしばある。 7TMRへのリガンド結合は、β-アレスチンの動員を刺激し、これにより、Gタンパク質を通した7TMRシグナル伝達が終了し、別のシグナル伝達経路が媒 介される。一部の7TMRはGタンパク質シグナル伝達経路を活性化することができず、これらは、共受容体またはリガンドを除去するおとり受容体として働く と考えられている。リガンドがそのような「おとり」受容体CXCR7にβ-アレスチン結合を導くことに着目し、Rajagopalらは、CXCR7がGタ ンパク質シグナル伝達を媒介することができないにも関わらず、β-アレスチンを通してシグナルを送る可能性があるかどうかを検討した。ヒト胎児腎 (HEK)293細胞にCXCR7およびβ-アレスチン2を蛍光標識したものをコードしたプラスミドを一過性にトランスフェクションし、CXCR7リガン ドであるストロマ細胞由来因子-1α(SDF-1α)またはインターフェロン誘導性T細胞α化学誘引物質(ITAC)で処理すると、β-アレスチン2の細 胞膜への動員が刺激された。2つのリガンドは、β-アレスチン2を動員するパターンが空間時間的に異なり、SDF-1αで細胞を処理した10分後にはβ- アレスチン2が細胞質小胞に局在化したが、ITACで処理した細胞ではβ-アレスチン2は細胞膜と会合したままであった。このパターンは、リガンド依存性 細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK1/2)のリン酸化でも繰り返された。CXCR7のmRNAおよびタンパク質を発現するラット血管平滑筋細胞 (rVSMC)では、放射性リガンド結合プロファイルは、CXCR7に結合するケモカインの特性をよく示しており、ITACはGaiを活性化せず、Gaq活 性化に伴う細胞内カルシウムの増加を導くこともなかった。ITACはrVSMCの遊走を促進した。遊走は、β-アレスチン2のノックダウンにより著しく減 少し、CXCR7拮抗薬により阻害された。したがって、CXCR7は、Gタンパク質シグナル伝達の不在下でも、β-アレスチンを通したリガンド誘導性シグ ナル伝達を媒介する、と著者らは結論付ける。

S. Rajagopal, J. Kim, S. Ahn, S. Craig, C. M. Lam, N. P. Gerard, C. Gerard, R. J. Lefkowitz, β-arrestin- but not G protein-mediated signaling by the "decoy" receptor CXCR7. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 107, 628-632 (2010). [Abstract] [Full Text]

E. M. Adler, Secretly Signaling. Sci. Signal. 3, ec18 (2010).

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2010年1月19日号

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