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ユビキチン特異的プロテアーゼ25はアダプタータンパク質TRAF3の脱ユビキチン化を通してTLR4依存的自然免疫応答を制御する

Ubiquitin-Specific Protease 25 Regulates TLR4-Dependent Innate Immune Responses Through Deubiquitination of the Adaptor Protein TRAF3

Research Article

Sci. Signal., 14 May 2013
Vol. 6, Issue 275, p. ra35
[DOI: 10.1126/scisignal.2003708]

Bo Zhong1, Xikui Liu1, Xiaohu Wang1, Xindong Liu1, Hongxiu Li2, Bryant G. Darnay3, Xin Lin2, Shao-Cong Sun1, and Chen Dong1*

1 Department of Immunology, Center for Inflammation and Cancer, MD Anderson Cancer Center, Houston, TX 77054, USA.
2 Department of Molecular and Cellular Oncology, Center for Inflammation and Cancer, MD Anderson Cancer Center, Houston, TX 77054, USA.
3 Department of Experimental Therapeutics, MD Anderson Cancer Center, Houston, TX 77054, USA.

* Corresponding author. E-mail: cdong@mdanderson.org

要約:タンパク質のユビキチン化は、Toll様受容体(TLR)シグナル伝達および自然免疫において重要な役割を果たしている。E3ユビキチンリガーゼにはTLRの下流として同定されたものもあるが、TLRが誘発する自然免疫応答におけるタンパク質の脱ユビキチン化の制御機構はよくわかっていない。われわれは、ユビキチン特異的プロテアーゼ25(USP25)をTLRシグナル伝達の制御因子として同定した。USP25はTLR4シグナル伝達複合体に動員され、TLR4がそのリガンドであるリポ多糖(LPS)により刺激された後、アダプタータンパク質である腫瘍壊死因子受容体関連因子3(TRAF3)およびTRAF6と相互作用した。USP25は、E3ユビキチンリガーゼcIAP2(細胞性アポトーシス阻害タンパク質2)によるTRAF3のLys48におけるユビキチン化を特異的に元にもどした。USP25の欠損は、TRAF3のユビキチン化の度合いを高め、TLR4活性化後のTRAF3の分解を加速し、それにより、TLR4が誘導するNF-κB(核内因子κB)の活性化およびMAPK(分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ)シグナル伝達を増強したが、転写因子IRF3(インターフェロン制御因子3)の活性化は阻害した。USP25欠損マウスは、野生型と比べてLPSにより誘導される敗血症性ショックに対する感受性の増加を示し、それは炎症誘発性サイトカインの生成促進とインターフェロンαの生成低下と関連していた。このようにTLR4の活性化によるTRAF3の分解阻害によりバランスのとれた自然免疫応答が可能となる。

B. Zhong, X. Liu, X. Wang, X. Liu, H. Li, B. G. Darnay, X. Lin, S.-C. Sun, C. Dong, Ubiquitin-Specific Protease 25 Regulates TLR4-Dependent Innate Immune Responses Through Deubiquitination of the Adaptor Protein TRAF3. Sci. Signal. 6, ra35 (2013).

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