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アデノシンにより媒体されるシグナル伝達経路はGTPアーゼRap1Bのプレニル化を抑え、細胞分散を促進する

An Adenosine-Mediated Signaling Pathway Suppresses Prenylation of the GTPase Rap1B and Promotes Cell Scattering

Research Article

Sci. Signal., 28 May 2013
Vol. 6, Issue 277, p. ra39
[DOI: 10.1126/scisignal.2003374]

Elizabeth Ntantie1, Patrick Gonyo1*, Ellen L. Lorimer1*, Andrew D. Hauser1, Nathan Schuld1, Donna McAllister2, Balaraman Kalyanaraman2, Michael B. Dwinell3, John A. Auchampach1, and Carol L. Williams1†

1 Department of Pharmacology and Toxicology, Cancer Center, and Cardiovascular Center, Medical College of Wisconsin, Milwaukee, WI 53226, USA.
2 Department of Biophysics and Cancer Center, Medical College of Wisconsin, Milwaukee, WI 53226, USA.
3 Department of Microbiology and Molecular Genetics and Cancer Center, Medical College of Wisconsin, Milwaukee, WI 53226, USA.

* These authors contributed equally to this work.

† Corresponding author. E-mail: williams@mcw.edu

要約:転移の過程において、がん細胞は互いから離れ、移動する能力を獲得する。このことはin vitroでは細胞分散として再現される。低分子量グアノシントリホスファターゼ(GTPアーゼ)Rap1は、細胞間接着を促進することにより細胞分散を妨げる。この機能は、Rap1の細胞膜への局在を可能にするプレニル化あるいはカルボキシル末端のイソプレノイド基による翻訳後修飾を必要する。このようにRap1のプレニル化を調節するシグナル伝達カスケードはRap1の膜局在を制御する機構を提供している。われわれは、Rap1Bのリン酸化を通して、Rap1Bのプレニル化を抑えるアデノシンA2B受容体から始まるシグナル伝達カスケードを同定した。これによって、シャペロンタンパク質SmgGDS(低分子量GTPアーゼグアノシン2リン酸解離刺激因子)との相互作用を減少した。これらの反応は細胞質および核内のプレニル化されていないRap1の蓄積を促し、細胞間接着を減らし、結果として細胞拡散を導く。われわれは、ラットにおいてプレニル化されていないRap1は正常乳房細胞より乳房腫瘍に多く、また、乳がんおよび肺がん、膵臓がん細胞株においてアデノシン受容体の活性化はRap1Bのプレニル化を遅らせることを見いだした。われわれの発見は、腫瘍の微小環境でみられるような細胞外高濃度アデノシンが、Rap1Bのプレニル化と細胞膜でのシグナル伝達を抑えるように慢性的にA2B受容体を活性化し、細胞間接着を減らし、細胞拡散を促しうるというモデルを支持している。A2B受容体の阻害は、効果的な転移防止法となるかもしれない。

E. Ntantie, P. Gonyo, E. L. Lorimer, A. D. Hauser, N. Schuld, D. McAllister, B. Kalyanaraman, M. B. Dwinell, J. A. Auchampach, C. L. Williams, An Adenosine-Mediated Signaling Pathway Suppresses Prenylation of the GTPase Rap1B and Promotes Cell Scattering. Sci. Signal. 6, ra39 (2013).

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