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糖尿病性腎症においてTGF-βはクロマチンおよびEts-1のアセチル化を誘導し、miR-192の抑制を軽減する

TGF-β Induces Acetylation of Chromatin and of Ets-1 to Alleviate Repression of miR-192 in Diabetic Nephropathy

Research Article

Sci. Signal., 4 June 2013
Vol. 6, Issue 278, p. ra43
[DOI: 10.1126/scisignal.2003389]

Mitsuo Kato1*, Varun Dang1, Mei Wang1, Jung Tak Park1, Supriya Deshpande1,2, Swati Kadam2, Armen Mardiros2, Yumei Zhan3, Peter Oettgen3, Sumanth Putta1, Hang Yuan1, Linda Lanting1, and Rama Natarajan1,2*

1 Department of Diabetes and Division of Molecular Diabetes Research, Beckman Research Institute of the City of Hope, Duarte, CA 91010, USA.
2 Irell & Manella Graduate School of Biological Sciences, Beckman Research Institute of the City of Hope, Duarte, CA 91010, USA.
3 Division of Cardiology, and Molecular and Vascular Medicine, Center for Vascular Biology Research, Beth Israel Deaconess Medical Center, Harvard Medical School, Boston, MA 02115, USA.

* Corresponding author. E-mail: mkato@coh.org (M.K.); rnatarajan@coh.org (R.N.)

要約:miR-192などのマイクロRNA(miRNA)は糖尿病性腎疾患の病因に関連する形質転換成長因子β1(TGF-β)の作用を媒介する。本研究では、マウス子球体メサンギウム細胞におけるTGF-βによる二相性のmiR-192発現誘導のうち早期の誘導にSmad転写因子が関与し、その後、セリンおよびスレオニンキナーゼAktによって活性化されたアセチルトランスフェラーゼp300による転写因子Ets-1およびヒストンH3のアセチル化によって持続発現が促進されることを明らかにした。Ets-1欠損マウスのメサンギウム細胞またはEts-1ノックダウン細胞ではmiR-192の基礎量が対照細胞と比べて多かったが、TGF-βによるmiR-192の持続誘導は減弱していた。また、Aktの阻害またはドミナントネガティブヒストンアセチルトランスフェラーゼの過剰性発現によって、TGF-β応答性のp300によるアセチル化およびmiR-192プロモータからのEts-1の解離が減少し、miR-192発現が阻害された。糖尿病db/db マウスの糸球体では非糖尿病db/+マウスと比べてAktおよびp300の活性化およびEts-1およびヒストンH3のアセチル化の亢進がみられたことから、本経路の糖尿病性腎症への寄与が示唆される。これらの知見は、正常および病的状態において、シグナル伝達の媒介する転写因子活性およびエピジェネティックなヒストンアセチル化の変化を介してmiRNAが制御される機序に洞察を与えるものである。

M. Kato, V. Dang, M. Wang, J. T. Park, S. Deshpande, S. Kadam, A. Mardiros, Y. Zhan, P. Oettgen, S. Putta, H. Yuan, L. Lanting, R. Natarajan, TGF-β Induces Acetylation of Chromatin and of Ets-1 to Alleviate Repression of miR-192 in Diabetic Nephropathy. Sci. Signal. 6, ra43 (2013).

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