• ホーム
  • 脱ユビキチン酵素A20がインターロイキン17受容体シグナル伝達のフィードバック阻害を媒介する

脱ユビキチン酵素A20がインターロイキン17受容体シグナル伝達のフィードバック阻害を媒介する

The Deubiquitinase A20 Mediates Feedback Inhibition of Interleukin-17 Receptor Signaling

Research Article

Sci. Signal., 4 June 2013
Vol. 6, Issue 278, p. ra44
[DOI: 10.1126/scisignal.2003699]

Abhishek V. Garg1, Mushtaq Ahmed1, Abbe N. Vallejo2, Averil Ma3, and Sarah L. Gaffen1*

1 Division of Rheumatology and Clinical Immunology, Department of Medicine, University of Pittsburgh, Pittsburgh, PA 15261, USA.
2 Department of Pediatrics, Children's Hospital of Pittsburgh, University of Pittsburgh, Pittsburgh, PA 15224, USA.
3 Department of Medicine, University of California at San Francisco, San Francisco, CA 94143, USA.

* Corresponding author. E-mail: sig65@pitt.edu

要約:炎症性サイトカインであるインターロイキン17(IL-17)は、CD4+T細胞のTヘルパー17(TH17)サブセットの特徴的なサイトカインであり、IL-17を標的とする抗体またはIL-17受容体(IL-17R)は、いくつかの自己免疫疾患において臨床的効果を示す。IL-17は、微生物に対する防御免疫にとって重要であるが、炎症状況下では付帯的なダメージを生じさせる。TNFAIP3は、脱ユビキチン酵素A20をコードし、多くの自己免疫症候群と遺伝的に関連している。腫瘍壊死因子αシグナル伝達の強力な抑制物質であるA20は、核因子κB(NF-κB)の上流のシグナル伝達中間体からユビキチンを除去し、それによって、核因子κBに仲介される炎症の勢いを弱める。われわれは、IL-17がTNFAIP3の発現を刺激することを示した。低分子阻害性RNAでA20をノックダウンした状態、またはA20-/-細胞では、IL-17の仲介によって、IL-6や多様なケモカインなどの炎症誘発性因子をコードする遺伝子の誘導が促進された。A20は、IL-17依存的にE3ユビキチンリガーゼの腫瘍壊死因子受容体関連因子6(TRAF6)会合し、IL-17依存性のNF-κBとマイトジェン活性化プロテインキナーゼの活性化を制限した。A20は、抑制性ドメインであることがすでに明らかにされているIL-17RAの遠位ドメインと直接的に相互作用した。まとめると、これらのデータは、IL-17シグナル伝達の抑制機構を記述しており、この機構がヒトの自己免疫で果たす役割を説明する一助となるかもしれないA20活性化のある側面を明らかにしている。

A. V. Garg, M. Ahmed, A. N. Vallejo, A. Ma, S. L. Gaffen, The Deubiquitinase A20 Mediates Feedback Inhibition of Interleukin-17 Receptor Signaling. Sci. Signal. 6, ra44 (2013).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2013年6月4日号

Editors' Choice

シナプス可塑性
概日性の学習

Research Article

糖尿病性腎症においてTGF-βはクロマチンおよびEts-1のアセチル化を誘導し、miR-192の抑制を軽減する

脱ユビキチン酵素A20がインターロイキン17受容体シグナル伝達のフィードバック阻害を媒介する

Research Resources

In vivoリン酸化プロテオミクス解析によりβ-アドレナリン作動性受容体シグナル伝達の心臓の標的を解明

Perspectives

Ets-1のアセチル化がmiR-192発現のためのクロマチンリモデリングの鍵を握る

最新のResearch Article記事

2025年10月21日号

損傷誘導性微小環境(ニッチ)因子Cxcl12およびShh/Ihhが頭頂骨の再生過程で縫合幹細胞の活性化を協調させる

2025年10月21日号

PARP1を介したTEAD4のポリ(ADPリボシル)化がYAP1-TEAD4複合体を安定化し、乳がん細胞の増殖と免疫回避を促進する

2025年10月14日号

E3ユビキチンリガーゼZNRF3はWNT結合FZDの選択的分解を刺激することでWNT受容体複合体の活性を制限している

2025年10月14日号

セナタキシンは抗原受容体遺伝子多様化時の組換え精度を高める

2025年10月07日号

異所性ヘッジホッグシグナル伝達軸が遺伝性多発性骨軟骨腫マウスモデルにおいて指向性腫瘍増殖を駆動する