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AMPKホモログSnf1を活性化するキナーゼによる酵母Gタンパク質シグナル伝達の制御
Regulation of Yeast G Protein Signaling by the Kinases That Activate the AMPK Homolog Snf1
Sci. Signal., 3 September 2013
Vol. 6, Issue 291, p. ra78
[DOI: 10.1126/scisignal.2004143]
Sarah T. Clement1, Gauri Dixit1, and Henrik G. Dohlman1,2*
1 Department of Biochemistry and Biophysics, University of North Carolina at Chapel Hill, Chapel Hill, NC 27599, USA.
2 Department of Pharmacology, University of North Carolina at Chapel Hill, Chapel Hill, NC 27599, USA.
* Corresponding author. E-mail: hdohlman@med.unc.edu
要約
栄養やホルモンのような細胞外シグナルは、適応応答を生じるように細胞内経路に指令を送る。細胞は、しばしば多数のシグナルに対する応答を調整し、適切な出力を生じさせる必要がある。われわれは、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)においてブドウ糖-センシング経路の構成因子が、ヘテロ3量体グアニンヌクレオチド-結合タンパク質(Gタンパク質)-媒介フェロモンシグナル伝達経路の構成因子に作用することを示した。Gタンパク質のαサブユニットGpa1が、グルコース可用性低下の条件に応答してリン酸化されること、および、このリン酸化現象が、フェロモン依存的な分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼの刺激、遺伝子の転写、細胞の形態形成、接合効率の低下に寄与することを示した。アデノシン1リン酸-活性化タンパク質キナーゼ(AMPK)の酵母ホモログであるSnf1をリン酸化するキナーゼ、Elm1、Sak1およびTos3が、グルコース可用性制限に応答してGpa1もリン酸化し、接合応答の低下に寄与することを見いだした。Snf1に作用するホスファターゼPP1の調節サブユニットであるReg1は、Gpa1のリン酸化を元に戻し、接合応答を維持するのに必要であった。このように、Snf1を制御するのと同じキナーゼおよびホスファターゼが、Gpa1もまた制御している。概して、これらの結果はフェロモンシグナル伝達およびブドウ糖-センシング経路が細胞の挙動を調和するために直接情報交換することを示している。
S. T. Clement, G. Dixit, H. G. Dohlman, Regulation of Yeast G Protein Signaling by the Kinases That Activate the AMPK Homolog Snf1. Sci. Signal. 6, ra78 (2013).