• ホーム
  • Ajubaファミリータンパク質はJNKとHippoシグナル伝達をリンクする

Ajubaファミリータンパク質はJNKとHippoシグナル伝達をリンクする

Ajuba Family Proteins Link JNK to Hippo Signaling

Research Article

Sci. Signal., 10 September 2013
Vol. 6, Issue 292, p. ra81
[DOI: 10.1126/scisignal.2004324]

Gongping Sun and Kenneth D. Irvine*

Howard Hughes Medical Institute, Waksman Institute and Department of Molecular Biology and Biochemistry, Rutgers, The State University of New Jersey, Piscataway, NJ 08854, USA.

* Corresponding author. E-mail: irvine@waksman.rutgers.edu

要約

創傷、アポトーシス、感染は、傷ついた組織を置き換えるよう近隣細胞の増殖応答を引き起こす。キイロショウジョウバエ(Drosophila)における研究は、c-Junアミノ末端キナーゼ(JNK)依存的なYorkie(Yki)の活性化が、再生と関連した増殖および腫瘍と関連した増殖に必須であることを示唆した。Ykiは、増殖を制御する保存された経路であるHippoシグナル伝達経路により抑制される転写活性化補助因子である。われわれは、JNKがHippoシグナル伝達を制御する保存された機構を同定した。キイロショウジョウバエにおける遺伝学的研究は、JNKに媒介されるYkiの活性化に必要なJub(Ajuba LIM蛋白質としても知られる)を同定し、Jubが創傷後の羽の再生および腫瘍増殖に寄与することを示した。生化学的研究は、JNKがAjubaファミリータンパク質のリン酸化を促進することをキイロショウジョウバエおよび哺乳細胞の両方で明らかにした。哺乳細胞における結合研究は、JNKがAjubaファミリータンパク質のLIMD1あるいはWTIPと、YkiのホモログYAPを抑制するHippo経路のうちのキナーゼLATS1の結合を増加することを示した。さらに、JNKは、LIMD1を直接リン酸化することによりLIMD1とLATS1の結合を促進した。これらの結果は、Ajubaファミリータンパク質がJNKとHippoシグナル伝達経路間の保存されたリンクであることを示し、JNKが、Ajubaファミリータンパク質のWartsおよびLATSへの結合を促進することによりYkiおよびYAPの活性を増加させることを示唆している。

G. Sun, K. D. Irvine, Ajuba Family Proteins Link JNK to Hippo Signaling. Sci. Signal. 6, ra81 (2013).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2013年9月10日号

Editors' Choice

宿主病原体相互作用
宿主防御の痛みを伴う破壊

Research Article

足場タンパク質プロヒビチンはマスト細胞の抗原刺激シグナル伝達に必要

Ajubaファミリータンパク質はJNKとHippoシグナル伝達をリンクする

Perspectives

マスト細胞活性化におけるプロヒビチンの役割:位置が重要

最新のResearch Article記事

2025年11月11日号

SH2ドメイン含有シグナル伝達タンパク質SHP2およびSRCではイオン化可能なネットワークがpH依存性アロステリーを仲介する

2025年11月11日号

CSF1R-CAR T細胞はCSF1Rシグナル伝達を誘導し、標的細胞の増殖を促進しうる

2025年11月04日号

白血球には乾癬様皮膚炎症時の動員を制御するヘパラン硫酸グリコカリックスがある

2025年11月04日号

コルドイドグリオーマのPRKCA D463H変異はマウスにおいて早発性軟骨肉腫を誘導するキナーゼ不活性型機能獲得型対立遺伝子である

2025年10月28日号

腸由来のソルビトールは腸内細菌の非存在下で脂肪性肝疾患を引き起こす