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アテローム性動脈硬化症のマウスモデルにおいて、転写因子CREBは、インターロイキン-17Aの産生および炎症を亢進する
The Transcription Factor CREB Enhances Interleukin-17A Production and Inflammation in a Mouse Model of Atherosclerosis
Sci. Signal., 17 September 2013
Vol. 6, Issue 293, p. ra83
[DOI: 10.1126/scisignal.2004214]
Sivareddy Kotla, Nikhlesh K. Singh, Mark R. Heckle, Gabor J. Tigyi, and Gadiparthi N. Rao*
Department of Physiology, University of Tennessee Health Science Center, 894 Union Avenue, Memphis, TN 38163, USA.
* Corresponding author. E-mail: rgadipar@uthsc.edu
要約
酵素15-リポキシゲナーゼ(15-LO)は、アテローム形成(アテローム性動脈硬化症としても知られる)に役割を果たすが、根底にある機構ははっきりしない。われわれは、アラキドン酸の主要な15-LO依存性代謝産物である15(S)-ヒドロキシエイコサテトラエン酸[15(S)-HETE]が、キサンチンオキシダーゼを介したニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)オキシダーゼの活性化を通して、単球による活性酸素種(ROS)の産生を刺激することを見出した。ROS産生は、転写因子CREB(サイクリックアデノシン一リン酸応答配列結合タンパク質)を必要とする様式で、Syk-、Pyk2-、およびマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)に依存する炎症性サイトカインインターロイキン-17A(IL-17A)の産生をもたらした。さらに、この経路は、15(S)-HETEに依存する単球の内皮細胞への遊走および接着に必要であった。これらの観察と一致して、われわれは、高脂質食を与えられたアポリポタンパク質E欠損(ApoE-/-)マウス(アテローム性動脈硬化症のマウスモデル)に由来する腹腔マクロファージが、同様の食餌を与えられたApoE-/-:12/15-LO-/-マウスに由来するものと比較して、キサンチンオキシダーゼおよびNADPHオキシダーゼの活性、ROS産生、Syk、Pyk2、MAPK、およびCREBのリン酸化、ならびにIL-17A産生の増加を示すことを見出した。これらの事象は、ApoE-/-マウスの大動脈弓における脂質貯蔵ならびに単球およびマクロファージの数の増加と相関し、結果としてアテローム斑形成がもたらされた。合わせると、これらの観察から、15(S)-HETEが、CREB依存性のIL-17A産生と炎症を亢進することで、アテローム形成を悪化させることが示唆される。
S. Kotla, N. K. Singh, M. R. Heckle, G. J. Tigyi, G. N. Rao, The Transcription Factor CREB Enhances Interleukin-17A Production and Inflammation in a Mouse Model of Atherosclerosis. Sci. Signal. 6, ra83 (2013).