• ホーム
  • T細胞におけるmTORシグナル伝達のT細胞受容体依存的活性化はCarma1およびMALT1により媒介されるが、Bcl10には媒介されない

T細胞におけるmTORシグナル伝達のT細胞受容体依存的活性化はCarma1およびMALT1により媒介されるが、Bcl10には媒介されない

T Cell Receptor–Dependent Activation of mTOR Signaling in T Cells Is Mediated by Carma1 and MALT1, But Not Bcl10

Research Article

Sci. Signal., 10 June 2014
Vol. 7, Issue 329, p. ra55
[DOI: 10.1126/scisignal.2005169]

Kristia S. Hamilton1,2, Binh Phong1,2, Catherine Corey3, Jing Cheng1, Balachandra Gorentla4, Xiaoping Zhong4, Sruti Shiva3, and Lawrence P. Kane1*

1 Department of Immunology, University of Pittsburgh School of Medicine, Pittsburgh, PA 15261, USA.
2 Graduate Program in Immunology, University of Pittsburgh School of Medicine, Pittsburgh, PA 15261, USA.
3 Department of Pharmacology and Chemical Biology, University of Pittsburgh School of Medicine, Pittsburgh, PA 15261, USA.
4 Departments of Pediatrics and Immunology, Duke University Medical Center, Durham, NC 27710, USA.

* Corresponding author. E-mail: lkane@pitt.edu

要約

ラパマイシン標的(mTOR)へのシグナル伝達は、タンパク質の翻訳、細胞増殖、代謝、オートファジーを含む様々な細胞過程を制御する。ほとんどのモデルにおいて、AktはmTOR複合体mTORC1の上流に位置しているが、T細胞においては、AktはmTORC1の活性化に必ずしも必要ではない。われわれは、アダプタータンパク質Carma1[カスパーゼ動員ドメイン(CARD)含有膜結合タンパク質1]、および、その結合タンパク質の少なくとも1つ、パラカスパーゼMALT1(粘膜関連リンパ組織リンパ腫転座タンパク質1)が、T細胞受容体(TCR)および共受容体CD28の刺激に応答したT細胞におけるmTORの至適活性化に必要であることを見いだした。しかしながら、Carma1およびMALT1に結合してTCRから転写因子NF-κB(核内因子κB)へのシグナルを媒介する複合体を形成するBcl10は必要ではなかった。MALT1の触媒活性は、刺激されたCD4+ T細胞の増殖に必要であったが、初期のTCR依存的な活性化現象には必要でなかった。mTORに及ぼす影響と一致して、MALT1の活性は、活性化CD4+ T細胞における代謝流量の増加に必要であった。まとめると、われわれのデータは、Carma1およびMALT1が、TCR会合後のT細胞におけるmTORの活性化において、これまで認められていなかった役割を果たすことを示唆した。

K. S. Hamilton, B. Phong, C. Corey, J. Cheng, B. Gorentla, X. Zhong, S. Shiva, L. P. Kane, T Cell Receptor-Dependent Activation of mTOR Signaling in T Cells Is Mediated by Carma1 and MALT1, But Not Bcl10. Sci. Signal. 7, ra55 (2014).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2014年6月10日号

Editors' Choice

神経科学
GlyRに火がつく

Research Article

酸化還元酵素PDIA6とマイクロRNA-322の相互作用が小胞体のカルシウム恒常性の崩壊に対する応答を調節する

T細胞におけるmTORシグナル伝達のT細胞受容体依存的活性化はCarma1およびMALT1により媒介されるが、Bcl10には媒介されない

Memoは銅依存性レドックスタンパク質であり、移動と転移に必須の役割を持つ

最新のResearch Article記事

2025年05月27日号

多発性硬化症マウスモデルにおいてSMAD2のS-パルミトイル化が自身のリンカー領域のリン酸化とTH17細胞の分化を促進する

2025年05月27日号

YAPはRho GTPaseスイッチを介して細胞の移動と浸潤を制御する

2025年05月20日号

増殖促進性シグナル伝達におけるmerlin-Rac拮抗作用の形態学的調節

2025年05月20日号

希少疾患を引き起こすGαs機能喪失型バリアントは、GPCRシグナル伝達に対して変異特異的影響を及ぼしている

2025年05月13日号

恒常的シナプス可塑性におけるADAR2を介したGluA2のQ/R編集