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NEDD4のチロシンリン酸化はそのユビキチンリガーゼ活性を活性化する

Tyrosine phosphorylation of NEDD4 activates its ubiquitin ligase activity

Research Article

Sci. Signal., 7 October 2014
Vol. 7, Issue 346, p. ra95
DOI: 10.1126/scisignal.2005290

Avinash Persaud1, Philipp Alberts1, Sara Mari2, Jiefei Tong3, Ryan Murchie1, Elena Maspero2, Frozan Safi1, Michael F. Moran3, Simona Polo2,4, and Daniela Rotin1,*

1 Cell Biology Program, The Hospital for Sick Children, and Biochemistry Department, University of Toronto, 686 Bay Street, Toronto, Ontario M5G 0A4, Canada.
2 IFOM, Fondazione Istituto FIRC di Oncologia Molecolare, Via Adamello 16, Milan 20139, Italy.
3 Molecular Structure and Function Program, The Hospital for Sick Children, and Molecular Genetics Department, University of Toronto, Toronto, Ontario M5G 0A4, Canada.
4 Dipartimento Scienze della Salute, Universita degli Studi di Milano, Via di Rudini 8, Milan 20142, Italy.

*Corresponding author. E-mail: drotin@sickkids.ca

要約 受容体チロシンキナーゼ、線維芽細胞増殖因子(FGF)受容体1(FGFR1)へのリガンドの結合は、キナーゼドメインのチロシン残基のトランスリン酸化により二量体化および活性化を引き起こす。FGFR1はE3リガーゼNEDD4(NEDD4-1としても知られる)によりユビキチン化され、それはFGFR1のインターナリゼーションおよび分解を促す。FGFR1のリン酸化は、NEDD4依存的エンドサイト−シスに必要であるが、NEDD4は、FGFR1の非リン酸化領域に直接結合する。われわれは、FGFR1の活性化がc-Srcキナーゼ依存的なNEDD4のチロシンリン酸化の活性化を導き、NEDD4のユビキチンリガーゼ活性を増強させることを発見した。われわれは、質量分析法を用いて、C2ドメインのTyr43やHECTドメインのTyr585を含む、いくつかのFGF依存的なNEDD4のリン酸化チロシンを同定した。リン酸化阻害のため、これらのチロシンをフェニルアラニンに変異させると、FGF依存的なNEDD4の活性化およびFGFR1のエンドサイト−シスが阻害され、細胞増殖が増加した。リン酸化を模倣するためチロシンをグルタミン酸に変異させると、NEDD4の活性が増加した。さらに、NEDD4のC2ドメインはHECTドメインに結合し、リン酸化模倣変異の存在がこの相互作用を阻害したことから、NEDD4のリン酸化が阻害的な分子内あるいは分子間相互作用を緩和することが示唆された。それに合うように、FGFR1の活性化はC2ドメインを欠いたNEDD4の活性化には必要とされなかった。上皮細胞増殖因子(EGF)によるc-Srcの活性化もまた、NEDD4のチロシンリン酸化を促進し、活性を増強させた。このように、われわれは、受容体チロシンキナーゼがNEDD4の触媒活性化を促進するという、受容体クロストークの機構を示している可能性のあるフィードバック機構を同定した。

A. Persaud, P. Alberts, S. Mari, J. Tong, R. Murchie, E. Maspero, F. Safi, M. F. Moran, S. Polo, and D. Rotin, Tyrosine phosphorylation of NEDD4 activates its ubiquitin ligase activity. Sci. Signal. 7, ra95 (2014).

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