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リーリンが欠損すると白血球−内皮細胞接着と病変のマクロファージ集積が減少してアテローム性動脈硬化症が予防される

Loss of Reelin protects against atherosclerosis by reducing leukocyte–endothelial cell adhesion and lesion macrophage accumulation

Research Article

Sci. Signal. 15 Mar 2016:
Vol. 9, Issue 419, pp. ra29
DOI: 10.1126/scisignal.aad5578

Yinyuan Ding1,2,3,*, Linzhang Huang4,*, Xunde Xian1,2,*, Ivan S. Yuhanna4, Catherine R. Wasser1,2, Michael Frotscher5, Chieko Mineo4, Philip W. Shaul4,†, and Joachim Herz1,2,6,7,8,†

1 Department of Molecular Genetics, University of Texas (UT) Southwestern Medical Center, Dallas, TX 75390, USA.
2 Center for Translational Neurodegeneration Research, UT Southwestern Medical Center, Dallas, TX 75390, USA.
3 Key Laboratory of Medical Electrophysiology, Ministry of Education of China, and the Institute of Cardiovascular Research, Sichuan Medical University, Luzhou 646000, China.
4 Center for Pulmonary and Vascular Biology, Department of Pediatrics, UT Southwestern Medical Center, Dallas, TX 75390, USA.
5 Zentrum für Molekulare Neurobiologie Hamburg, Falkenried 94, 20251 Hamburg, Germany.
6 Department of Neuroscience, UT Southwestern Medical Center, Dallas, TX 75390, USA.
7 Department of Neurology and Neurotherapeutics, UT Southwestern Medical Center, Dallas, TX 75390, USA.
8 Center for Neuroscience, Department of Neuroanatomy, Albert-Ludwigs-University, 79104 Freiburg, Germany.

† Corresponding author. E-mail: philip.shaul@utsouthwestern.edu (P.W.S.); joachim.herz@utsouthwestern.edu (J.H.)

* These authors contributed equally to this work.

要約  マルチモジュールの糖タンパク質リーリンは、ニューロンのアポリポタンパク質E受容体2(Apoer2)と超低密度リポタンパク質受容体(Vldlr)に結合することによって、ニューロンの遊走とシナプス伝達を制御する。末梢では、リーリンは肝臓で産生され、血液中を循環し、血栓症や止血を促進する。リーリンがアテローム発生に影響を及ぼすかどうかを検討するために、われわれは、リーリンを広範にまたは肝臓でのみ誘導的に欠失させ、血中リーリンが産生されないようにした、アテローム性動脈硬化症易発性の低密度リポタンパク質受容体欠損(Ldlr−/−)マウスを調べた。両タイプのリーリン欠損マウスにおいて、アテローム性動脈硬化症の進行が顕著に軽減され、アテローム性動脈硬化症病変の部位で、マクロファージ量と、血管細胞接着分子–1(VCAM-1)および細胞内接着分子–1(ICAM-1)の内皮細胞染色が減少した。生体内顕微鏡により、リーリン欠損マウスにおける、白血球‐内皮細胞接着の低下が明らかになった。培養ヒト内皮細胞において、リーリンは、Apoer2依存的に内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)活性を抑制し、核内因子κB(NF-κB)活性を上昇させることにより、単球接着を増強し、ICAM1VCAM1E-selectinの発現を増加させた。これらの結果から、血中リーリンは、血管の炎症を増加させることによってアテローム性動脈硬化症を促進すること、さらに、血中リーリンを減少させるまたは阻害することが、心血管疾患予防のための新たな方法となる可能性があることが示唆される。

Citation: Y. Ding, L. Huang, X. Xian, I. S. Yuhanna, C. R. Wasser, M. Frotscher, C. Mineo, P. W. Shaul, J. Herz, Loss of Reelin protects against atherosclerosis by reducing leukocyte–endothelial cell adhesion and lesion macrophage accumulation. Sci. Signal. 9, ra29 (2016).

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