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オーファンGタンパク質共役受容体GPR37L1のN末端をメタロプロテアーゼで切断するとGPR37L1の恒常的活性が低下する

Metalloprotease cleavage of the N terminus of the orphan G protein–coupled receptor GPR37L1 reduces its constitutive activity

Research Article

Sci. Signal. 12 Apr 2016:
Vol. 9, Issue 423, pp. ra36
DOI: 10.1126/scisignal.aad1089

James L. J. Coleman1,2,*, Tony Ngo1,2,*, Johannes Schmidt1, Nadine Mrad1, Chu Kong Liew1, Nicole M. Jones3, Robert M. Graham1,2, and Nicola J. Smith1,2,†

1 Molecular Cardiology and Biophysics Division, Victor Chang Cardiac Research Institute, Darlinghurst, New South Wales 2010, Australia.
2 St Vincent’s Clinical School, University of New South Wales, Darlinghurst, New South Wales 2010, Australia.
3 Department of Pharmacology, School of Medical Sciences, University of New South Wales, Kensington, New South Wales 2033, Australia.

Corresponding author. E-mail: n.smith@victorchang.edu.au

* These authors contributed equally to this work.

要約  小脳に豊富に存在するGタンパク質(ヘテロ三量体グアニンヌクレオチド結合タンパク質)共役受容体GPR37L1の薬理学・生理学はほとんど知られていない。GPR37L1欠失マウスでは、小脳の早期発生と血圧上昇がみられる。われわれは、培養細胞中で異種性に発現させたGPR37L1はリガンドを添加せずにGタンパク質Gαsと共役するが、アミノ末端を欠失させた変異型GPR37L1は不活性であることを示した。逆に、ADAM(ディスインテグリンとメタロプロテアーゼ)を阻害するとGPR37L1の活性が亢進されたことから、GPR37L1シグナル伝達にはアミノ末端の存在が必要であることが示された。メタロプロテアーゼに依存したGPR37L1のプロセシングはげっ歯類の小脳において顕著であり、げっ歯類の小脳では主に切断された不活性型GPR37L1が検出された。しかし、野生型マウスとGPR37L1完全欠失マウスから調製した小脳切片でホスホジエステラーゼ阻害に応答したcAMP(アデノシン3′,5′一リン酸)の蓄積量を比較すると、野生型マウスでは恒常的シグナル伝達がいくらか残存していることがわかった。GαsまたはGαiシグナル伝達のレポーターアッセイでは、プロサポシン由来の合成ペプチドであるプロサプチド(TX14A)はGPR37L1の活性を亢進しなかった。われわれのデータは、GPR37L1が恒常的に活性な受容体であるか、もしくは解析に用いた条件下にリガンドが存在する可能性があること、また、GPR37L1の活性は小脳ではむしろメタロプロテアーゼ活性を調節するシグナルによって調節されていることを示している。

Citation: J. L. J. Coleman, T. Ngo, J. Schmidt, N. Mrad, C. K. Liew, N. M. Jones, R. M. Graham, N. J. Smith, Metalloprotease cleavage of the N terminus of the orphan G protein–coupled receptor GPR37L1 reduces its constitutive activity. Sci. Signal. 9, ra36 (2016).

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