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ドミナントネガティブGαサブユニットはヒト疾患におけるヘテロ三量体Gタンパク質シグナル伝達の制御不全の機構である
Dominant-negative Gα subunits are a mechanism of dysregulated heterotrimeric G protein signaling in human disease
Sci. Signal. 12 Apr 2016:
Vol. 9, Issue 423, pp. ra37
DOI: 10.1126/scisignal.aad2429
Arthur Marivin1,*, Anthony Leyme1,*, Kshitij Parag-Sharma1, Vincent DiGiacomo1, Anthony Y. Cheung1, Lien T. Nguyen1, Isabel Dominguez2, and Mikel Garcia-Marcos1,†
1 Department of Biochemistry, Boston University School of Medicine, Boston, MA 02118, USA.
2 Department of Medicine, Boston University School of Medicine, Boston, MA 02118, USA.
† Corresponding author. E-mail: mgm1@bu.edu
* These authors contributed equally to this work.
要約 頭蓋顔面の発生が障害される希少疾患である耳下顎関節頭症候群(ACS)は、Gタンパク質共役受容体(GPCR)シグナル伝達経路における突然変異により引き起こされる。マウスでは、Gタンパク質(ヘテロ三量体グアニンヌクレオチド結合タンパク質)サブユニットGαq/11とその下流のホスホリパーゼC(PLC)が介するエンドセリンA型受容体(ETAR)によるシグナル伝達が乱されることで、正常な頭蓋顔面の発生に必要な神経堤細胞の分化が障害される。一部のACS患者は、Gαi3をコードするGNAI3に変異を有するが、このGタンパク質がETAR経路の中で働いているか否かは不明である。われわれはアフリカツメガエル(Xenopus)の脊椎動物発生モデル、in vitro生化学検査および哺乳類細胞のGタンパク質活性のバイオセンサーを用い、既知のACS関連Gαi3変異すべての表現型および機能について系統的な特性解析を行った。その結果、ACSに関連したGNAI3の変異は、ETARと共役しているがグアノシントリホスファターゼと結合して加水分解することはできないドミナントネガティブGαi3変異タンパク質を生成し、それによりエンドセリンを介したGαq/11およびPLCの活性化を阻害することを見いだした。このようにACSは、ヘテロ三量体Gタンパク質サブユニットの機能性のドミナントネガティブ変異により引き起こされている。
Citation: A. Marivin, A. Leyme, K. Parag-Sharma, V. DiGiacomo, A. Y. Cheung, L. T. Nguyen, I. Dominguez, M. Garcia-Marcos, Dominant-negative Gα subunits are a mechanism of dysregulated heterotrimeric G protein signaling in human disease. Sci. Signal. 9, ra37 (2016).