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Ghsr Q343X ラットのグレリンに対する応答性の増強は食欲の増加を伴わずに脂肪蓄積を増大させる

Enhanced responsiveness of Ghsr Q343X rats to ghrelin results in enhanced adiposity without increased appetite

Research Article

Sci. Signal. 19 Apr 2016:
Vol. 9, Issue 424, pp. ra39
DOI: 10.1126/scisignal.aae0374

Yacine Chebani1,*, Candice Marion1,*, Philippe Zizzari1,*, Khadidja Chettab1, Marie Pastor1, Marie Korostelev1, David Geny1, Jacques Epelbaum1,2, Virginie Tolle1, Séverine Morisset-Lopez3, and Jacques Pantel1,4,†

1 INSERM, Université Paris Descartes, Sorbonne Paris Cité, UMR-S 894, Centre de Psychiatrie & Neurosciences, 75014 Paris, France.
2 CNRS, Muséum national d’Histoire naturelle, UMR 7179, Mécanismes adaptatifs et évolution, 91800 Brunoy, France.
3 Centre de Biophysique Moléculaire, CNRS, UPR 4301, Université d’Orléans, 45071 Orléans, France.
4 Department of Molecular Physiology and Biophysics, Vanderbilt School of Medicine, Nashville, TN 37232, USA.

* These authors contributed equally to this work.

Corresponding author. E-mail: jacques.pantel@inserm.fr

要約  消化管ホルモングレリンが、正のエネルギーバランスを促進する能力は、成長ホルモン分泌促進因子受容体(GHSR)によってもたらされる。GHSRは、中枢と末梢に存在するGタンパク質共役受容体(GPCR)で、基底時にリガンド非依存的または他のGPCRとのヘテロ二量体形成時に、シグナルを伝達する能力をもつ。しかし、現在のGhsrノックアウトモデルでは、グレリン依存性およびグレリン非依存性のシグナル伝達を詳細に分析することができず、これらのシグナル伝達経路の生理学的重要性を評価することは不可能である。GHSRの細胞表面存在量は維持しながら、GHSRシグナル伝達を選択的に変化させるGhsr変異を有する動物モデルがあれば、in vivoでのGHSRシグナル伝達の解読に有用な手段となる可能性がある。われわれは、受容体の内部移行とβ-アレスチンの動員というシグナル終結過程に不可欠なドメインである、GHSRカルボキシル末端尾部の遠位部分を欠失させると予測される、GhsrQ343X変異を有するラット(GhsrM/M)を用いた。細胞において、GHSR-Q343X変異体では、リガンド誘導性のGタンパク質依存性シグナル伝達の増強と、GPCRシグナル終結に関与する過程の活性の鈍化が認められた。GhsrM/Mラットでは、最大下用量のグレリンまたはGHSRアゴニストに対する応答の増強が認められた。さらに、GhsrM/Mラットでは、内因性グレリン感受性を高める状態であるカロリー制限下で、体重がより安定していた一方、標準的な飼育条件下で、体重および脂肪蓄積の増加と、耐糖能の低下が認められた。全体として、われわれのデータからは、GHSRカルボキシル末端の遠位ドメインが、グレリン感受性の抑制因子として生理的役割を果たすことが強調されており、肥満関連疾患に対する治療を見出すために、Ghsrの機能獲得の生理的モデルとしてGhsrM/Mラットを用いることを、われわれは提案する。

Citation: Y. Chebani, C. Marion, P. Zizzari, K. Chettab, M. Pastor, M. Korostelev, D. Geny, J. Epelbaum, V. Tolle, S. Morisset-Lopez, J. Pantel, Enhanced responsiveness of Ghsr Q343X rats to ghrelin results in enhanced adiposity without increased appetite. Sci. Signal. 9, ra39 (2016).

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