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FOXF1は内皮のバリア機能を維持し肺損傷後の浮腫を防ぐ

FOXF1 maintains endothelial barrier function and prevents edema after lung injury

Research Article

Sci. Signal. 19 Apr 2016:
Vol. 9, Issue 424, pp. ra40
DOI: 10.1126/scisignal.aad1899

Yuqi Cai1, Craig Bolte1, Tien Le1, Chinmayee Goda1, Yan Xu1, Tanya V. Kalin1,2,*, and Vladimir V. Kalinichenko1,2,*

1 Division of Pulmonary Biology, Cincinnati Children's Research Foundation, 3333 Burnet Avenue, Cincinnati, OH 45229, USA.
2 The Perinatal Institute, Cincinnati Children's Research Foundation, Cincinnati, OH 45229, USA.

要約 内皮バリア機能の調節には、複数のシグナル伝達経路、構造タンパク質、および転写因子が関与している。フォークヘッドタンパク質FOXF1は、胎児肺発生の重要な転写調節因子であり、われわれは、コンディショナルノックアウト法を用いて、成人肺の恒常性、損傷、および修復におけるFOXF1の役割を調べた。成体マウスの内皮細胞における両Foxf1対立遺伝子のタモキシフェン調節による欠失(Pdgfb-iCreER/Foxf1−/−)は、肺の炎症および浮腫を引き起こし、呼吸不全で死に至らしめた。単一Foxf1対立遺伝子の欠失により、ヘテロ接合Pdgfb-iCreER/Foxf1+/−マウスは、急性肺損傷を受けやすくなった。FOXF1の存在量は、ヒト急性肺損傷患者の肺内皮細胞で減少していた。ホモ接合FOXF1欠失の肺内皮細胞の遺伝子発現解析は、接着結合の維持および調節に重要な遺伝子の発現減少を示した。in vitroおよびin vivoでのFOXF1ノックダウンは、接着結合を破壊し、肺内皮の透過性を高め、内皮バリア機能の重要な調節因子であるスフィンゴシン1-リン酸受容体1(S1PR1)のmRNAおよびタンパク質の存在量を増加させた。クロマチン免疫沈降およびルシフェラーゼレポーターアッセイは、FOXF1がS1pr1プロモーターに直接結合し、転写活性を誘導することを示した。損傷したPdgfb-iCreER/Foxf1+/−マウスへのS1Pの薬理学的投与は、内皮バリア機能を回復させ、肺水腫の減少、生存率の改善を示した。従って、FOXF1は、部分的にはS1P/S1PR1シグナル伝達経路の活性化を介して内皮バリア機能を強化することにより、正常な肺の恒常性および修復を促進する。

Citation: Y. Cai, C. Bolte, T. Le, C. Goda, Y. Xu, T. V. Kalin, V. V. Kalinichenko, FOXF1 maintains endothelial barrier function and prevents edema after lung injury. Sci. Signal. 9, ra40 (2016).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

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