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転写因子FOXF1はマイトジェン活性化プロテインキナーゼERK5を刺激することによって前立腺がんを促進する

The transcription factor FOXF1 promotes prostate cancer by stimulating the mitogen-activated protein kinase ERK5

Research Article

Sci. Signal. 10 May 2016:
Vol. 9, Issue 427, pp. ra48
DOI: 10.1126/scisignal.aad5582

Logan Fulford1, David Milewski1, Vladimir Ustiyan1, Navin Ravishankar2, Yuqi Cai1, Tien Le1, Sreeharsha Masineni3, Susan Kasper4, Bruce Aronow5, Vladimir V. Kalinichenko1, and Tanya V. Kalin1,*

1 Division of Pulmonary Biology, Perinatal Institute of Cincinnati Children's Research Foundation, 3333 Burnet Avenue, Cincinnati, OH 45229, USA.
2 Department of Biomedical, Chemical, and Environmental Engineering, University of Cincinnati College of Engineering and Applied Science, Cincinnati, OH 45221, USA.
3 Department of Pathology and Laboratory Medicine, University of Cincinnati College of Medicine, Cincinnati, OH 45229, USA.
4 Department of Environmental Health, University of Cincinnati College of Medicine, Cincinnati, OH 45229, USA.
5 Division of Biomedical Informatics, Cincinnati Children's Hospital Medical Center, Cincinnati, OH 45229, USA.

* Corresponding author. Email: tatiana.kalin@cchmc.org

要約 フォークヘッドボックスF1(FOXF1)は間質細胞で産生される転写因子であり、正常な前立腺組織の上皮細胞では発現されない。がんにおいて、FOXF1は相反する役割を担う。一部のがんではFOXF1が減少していることから、腫瘍抑制性の機能が示唆されるが、他のがんでは大量に存在し、腫瘍原性や転移性と関連している。細胞外シグナル制御キナーゼ5(ERK5)は、進行期前立腺がん(PC)の患者との関連がみられる。われわれは、侵襲性のマウスPCとヒトPCにおいてFOXF1陽性腫瘍細胞集団を検出した。2つの同所性PCマウスモデルを使用し、Myc-CaPおよびTRAMP前立腺腫瘍細胞でFOXF1を過剰発現させると、前立腺での腫瘍の増殖、腹膜播種への増悪が誘導されることを見出した。FOXF1陽性前立腺腫瘍の増殖の促進は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)ファミリーに属するERK5のリン酸化の増加と関連した。FOXF1は、キナーゼMAP3K2、キナーゼWNK1をコードする遺伝子の転写を誘導するとともに、これらの遺伝子のプロモーター領域に直接結合することによって、ERK5のリン酸化と活性化を促進した。FOXF1を過剰発現するPC細胞でERK5のみ、またはMAP3K2とWNK1の両方をノックダウンさせると、培養細胞の増殖が減少し、マウスに移植された腫瘍の増殖と転移が抑制された。ヒト腫瘍では、FOXF1の発現量はMAP3K2WNK1の発現量と正の相関を示した。このように、FOXF1が腫瘍抑制因子として機能する可能性のある一部の腫瘍とは対照的に、FOXF1はERK5シグナル伝達を活性化することによって前立腺腫瘍の増殖と増悪を促進する。また、今回の結果は、FOXF1陽性PC患者においてERK5が新たな治療標的になりうることも示している。

Citation: L. Fulford, D. Milewski, V. Ustiyan, N. Ravishankar, Y. Cai, T. Le, S. Masineni, S. Kasper, B. Aronow, V. V. Kalinichenko, T. V. Kalin, The transcription factor FOXF1 promotes prostate cancer by stimulating the mitogen-activated protein kinase ERK5. Sci. Signal. 9, ra48 (2016).

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