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相乗的に作用するGタンパク質共役受容体作動薬および拮抗薬が視細胞変性を防止する

Synergistically acting agonists and antagonists of G protein–coupled receptors prevent photoreceptor cell degeneration

Research Article

Sci. Signal. 26 Jul 2016:
Vol. 9, Issue 438, pp. ra74
DOI: 10.1126/scisignal.aaf0245

Yu Chen1,2,*, Grazyna Palczewska3, Ikuo Masuho4, Songqi Gao2, Hui Jin2, Zhiqian Dong3, Linn Gieser5, Matthew J. Brooks5, Philip D. Kiser2,6, Timothy S. Kern2,6,7, Kirill A. Martemyanov4, Anand Swaroop5, and Krzysztof Palczewski2,3,*

1 Yueyang Hospital and Clinical Research Institute of Integrative Medicine, Shanghai University of Traditional Chinese Medicine, Shanghai 200437, China.
2 Department of Pharmacology, School of Medicine, Case Western Reserve University, 10900 Euclid Avenue, Cleveland, OH 44106, USA.
3 Polgenix Inc., Cleveland, OH 44106, USA.
4 Department of Neuroscience, The Scripps Research Institute, 130 Scripps Way, Jupiter, FL 33458, USA.
5 Neurobiology-Neurodegeneration and Repair Laboratory, National Eye Institute, National Institutes of Health, Bethesda, MD 20892, USA.
6 Research Service, Louis Stokes Cleveland VA Medical Center, Cleveland, OH 44106, USA.
7Department of Medicine, School of Medicine, Case Western Reserve University, Cleveland, OH 44106, USA.

* Corresponding author. Email: chenyu6639@hotmail.com (Y.C.); kxp65@case.edu (K.P.)

要約  いくつかの種類の網膜疾患では、視細胞変性が視力障害や失明につながる。しかし、視細胞保護をもたらす安全で有効な治療戦略を見つけ出すことは、依然として困難である。機能的に相乗効果をもたらすさまざまな薬剤を低用量で用い、異なる細胞経路を標的とすることが、網膜ジストロフィーを予防または治療する戦略となる可能性がある。われわれは、システム薬理学の手法により、光誘発性網膜変性のマウスモデルを用いて、併用療法候補を特定した。異なるGタンパク質(ヘテロ三量体グアニンヌクレオチド結合タンパク質)共役受容体(GPCR)に作用する、米国食品医薬品局(FDA)に承認された薬剤のある組み合わせが、それぞれの薬剤を低用量で投与した場合であっても、網膜を光誘発性の変性から保護する相乗活性を示すことがわかった。機能解析において、これらの薬剤の複合作用は、ドパミン受容体D2RおよびD4Rの活性化によるGi/oシグナル伝達の促進と、それぞれD1Rとα1Aアドレナリン受容体ADRA1Aへの拮抗によるGsおよびGqシグナル伝達の阻害であった。さらに、トランスクリプトーム解析により、そのような併用GPCR標的治療では、高用量の単剤療法の場合と比べて、正常な網膜により近い網膜遺伝子発現のパターンが保持されることが示された。したがってわれわれの研究は、システム薬理学を用いることで網膜症の治療法が特定できることを示しており、このような手法は、他の複合疾患に広がる可能性もある。

Citation: S. Y. Chen, G. Palczewska, I. Masuho, S. Gao, H. Jin, Z. Dong, L. Gieser, M. J. Brooks, P. D. Kiser, T. S. Kern, K. A. Martemyanov, A. Swaroop, K. Palczewski, Synergistically acting agonists and antagonists of G protein–coupled receptors prevent photoreceptor cell degeneration. Sci. Signal. 9, ra74 (2016).

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