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チロシンキナーゼSrcはキナーゼTBK1のリン酸化を進めウイルス感染後のI型インターフェロン産生を促進する

The tyrosine kinase Src promotes phosphorylation of the kinase TBK1 to facilitate type I interferon production after viral infection

Research Article

Sci. Signal.03 Jan 2017:
Vol. 10, Issue 460,
DOI: 10.1126/scisignal.aae0435

Xuelian Li1,*, Mingjin Yang1,*, Zhou Yu2,*, Songqing Tang1, Lei Wang2, Xuetao Cao2,†, and Taoyong Chen1,†

1 National Key Laboratory of Medical Immunology and Institute of Immunology, Second Military Medical University, Shanghai 200433, China.
2 National Key Laboratory of Medical Molecular Biology and Department of Immunology, Institute of Basic Medical Sciences, Chinese Academy of Medical Sciences, Beijing 100005, China.

Corresponding author. Email: chenty@immunol.org (T.C.); caoxt@immunol.org (X.C.)

* These authors contributed equally to this work.

要約
様々なパターン認識受容体(PRR)がウイルス感染に応答して活性化され、I型インターフェロン(IFN)の産生を刺激する。しかしながら、これら受容体全ての応答の中心は、IFN調節因子3(IRF3)による転写を刺激するキナーゼTBK1の活性化である。われわれは、ウイルス感染に応答してTBK1のキナーゼ活性が刺激される機構を調べた。そして、チロシンキナーゼSrcが、RAW264.7マクロファージのウイルス感染によりTBK1のTyr179でのリン酸化を促進することを見出した。Tyr179のアラニンへの突然変異は、TBK1活性化に必要とされるTBK1のSer172での自己リン酸化を損なった。TBK1 Y179A変異体は、TBK1が欠損したウイルス感染RAW264.7マクロファージによるI型IFN産生を救済できなかった。AZD0530を用いたSrcの薬理学的阻害、および、集まって規則的に間を空けて配置された短い回文配列の繰り返し(CRISPR)/Cas9によるSrcのノックアウトは、SrcがTBK1-IRF3経路を活性化し、I型IFN産生を刺激するのに重要であることを示した。しかし、Srcはin vitroで組換えTBK1に直接結合するのではなく、PRR関与後にTBK1と複合体を形成するTRIF、MAVS、およびSTINGなどの主要なPRRアダプタータンパク質内のプロリン-X-X-プロリンモチーフに結合した。合わせると、われわれのデータは、Srcが自己リン酸化および活性化のためにTBK1をプライミングする主要なチロシンキナーゼであることを示唆し、それにより抗ウイルス自然応答の一部として様々なPRRによるTBK1活性の調節に関する機構的な洞察を提供する。

Citation: X. Li, M. Yang, Z. Yu, S. Tang, L. Wang, X. Cao, T. Chen, The tyrosine kinase Src promotes phosphorylation of the kinase TBK1 to facilitate type I interferon production after viral infection. Sci. Signal. 10, eaae0435 (2017).

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