• ホーム
  • フラボノイドのシアニジンはサイトカインのインターロイキン(IL)17AとIL-17RAサブユニットの結合を阻害してin vivoにおける炎症を緩和する

フラボノイドのシアニジンはサイトカインのインターロイキン(IL)17AとIL-17RAサブユニットの結合を阻害してin vivoにおける炎症を緩和する

The flavonoid cyanidin blocks binding of the cytokine interleukin-17A to the IL-17RA subunit to alleviate inflammation in vivo

Research Article

Sci. Signal. 21 Feb 2017:
Vol. 10, Issue 467,
DOI: 10.1126/scisignal.aaf8823

Caini Liu1, Liang Zhu2,3, Koichi Fukuda2, Suidong Ouyang1, Xing Chen1, Chenhui Wang1,4, Cun-jin Zhang1,5, Bradley Martin1, Chunfang Gu1, Luke Qin1, Suguna Rachakonda6, Mark Aronica7, Jun Qin2,3,*, and Xiaoxia Li1,*

1 Department of Immunology, Cleveland Clinic, 9500 Euclid Avenue, Cleveland, OH 44195, USA.
2 Department of Molecular Cardiology, Lerner Research Institute, Cleveland Clinic, Cleveland, OH 44195, USA.
3 Department of Biochemistry, School of Medicine, Case Western Reserve University, 10900 Euclid Avenue, Cleveland, OH 44106, USA.
4 Key Laboratory of Molecular Biophysics of the Ministry of Education, College of Life Science and Technology, Huazhong University of Science and Technology, Wuhan 430074, China.
5 Department of Neurology, Tianjin Neurological Institute, Tianjin Medical University General Hospital, Tianjin 300052, China.
6 National Institutes of Health Center for Accelerated Innovations, Cleveland Clinic, Cleveland, OH 44195, USA.
7 Department of Pathobiology, Lerner Research Institute, Cleveland Clinic, Cleveland, OH 44195, USA.

* Corresponding author. Email: qinj@ccf.org (J.Q.); lix@ccf.org (X.L.)

要約

シアニジンは、赤いベリーなどの果実類に含まれる主なフラボノイドであり、抗炎症作用によって喘息、糖尿病、アテローム性動脈硬化、がんなどの疾患の発症を軽減する。われわれは、シアニジンの作用の分子基盤を調べた。炎症性サイトカインであるインターロイキン17A(IL-17A)によるシグナル伝達を阻害する低分子の構造に基づく研究により、シアニジンがIL-17A受容体サブユニット(IL-17RA)のIL-17A結合部位を特異的に認識し、IL-17A/IL-17RA相互作用を阻害することを見出した。マウスを用いた実験では、シアニジンによって、IL-17Aに誘導される皮膚の肥厚が阻害され、IL-17産生ヘルパーT(TH17)細胞によって誘発される炎症が軽減され(ただし、TH1細胞、TH2細胞によって誘発される炎症は軽減されない)、ステロイド抵抗性の重症喘息モデルにおける気道過敏性が軽減されることが示された。これらの知見は、これまで特徴づけられていなかったシアニジンの作用の分子機序を明らかにしており、IL-17A依存性の炎症疾患やがんの治療に有効な低分子薬のさらなる開発に有用な情報を提供する可能性がある。

Citation: C. Liu, L. Zhu, K. Fukuda, S. Ouyang, X. Chen, C. Wang, C.-j. Zhang, B. Martin, C. Gu, L. Qin, S. Rachakonda, M. Aronica, J. Qin, X. Li, The flavonoid cyanidin blocks binding of the cytokine interleukin-17A to the IL-17RA subunit to alleviate inflammation in vivo. Sci. Signal. 10, eaaf8823 (2017).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2017年2月21日号

Editors' Choice

新たなつながり:脂肪肝と闘うための新たな標的

Editorial Guides

変動原因:動物の微生物叢

Research Article

フラボノイドのシアニジンはサイトカインのインターロイキン(IL)17AとIL-17RAサブユニットの結合を阻害してin vivoにおける炎症を緩和する

鎮痛特性をもつ1型アデニル酸シクラーゼ活性の選択的低分子阻害剤の同定

ペントラキシン-3は基底細胞様乳がんの幹細胞様特性を促進するPI3Kシグナル伝達の標的である

最新のResearch Article記事

2025年04月22日号

がん細胞の再上皮化がオートファジーとDNA損傷を増加させる:乳がんの休眠と再発への影響

2025年04月08日号

統合失調症治療薬チオチキセンはアルギナーゼ1および連続的なエフェロサイトーシスを誘導することによってマクロファージを刺激して病原性細胞を除去する

2025年04月01日号

RIPK3はニューロンでRHIMドメイン依存性の抗ウイルス炎症転写を調整する

2025年03月25日号

細胞内RNAに結合するループス由来自己抗体はcGASに媒介される腫瘍免疫を活性化し、RNAを細胞へ送達することができる

2025年03月18日号

転移性前立腺がんにおいてキナーゼPLK1は、抗アンドロゲン剤エンザルタミドに対するヘッジホッグシグナル伝達依存性の耐性を促進する