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ペントラキシン-3は基底細胞様乳がんの幹細胞様特性を促進するPI3Kシグナル伝達の標的である

Pentraxin-3 is a PI3K signaling target that promotes stem cell–like traits in basal-like breast cancers

Research Article

Sci. Signal. 21 Feb 2017:
Vol. 10, Issue 467,
DOI: 10.1126/scisignal.aah4674

Clémence Thomas1, Whitney Henry1, Benjamin G. Cuiffo1, Anthony Y. Collmann1, Elisabetta Marangoni2, Vanessa Benhamo2, Manoj K. Bhasin3, Cheng Fan4, Laetitia Fuhrmann2, Albert S. Baldwin4, Charles Perou4, Anne Vincent-Salomon2, Alex Toker1, and Antoine E. Karnoub1,5,6,*

1 Department of Pathology and Cancer Center, Beth Israel Deaconess Medical Center, Harvard Medical School, Boston, MA 02215, USA.
2 Institut Curie, Paris Cedex 05, France.
3 Department of Medicine, Beth Israel Deaconess Medical Center, Harvard Medical School, Boston, MA 02215, USA.
4 Lineberger Comprehensive Cancer Center, University of North Carolina at Chapel Hill, Chapel Hill, NC 27599, USA.
5 Harvard Stem Cell Institute, Cambridge, MA 02138, USA.
6 Broad Institute of Massachusetts Institute of Technology and Harvard, Cambridge, MA 02142, USA.

* Corresponding author. Email: akarnoub@bidmc.harvard.edu

要約
基底細胞様乳がん(BLBCs)ではPIK3CA触媒サブユニットの突然変異による活性化、ならびにその負の調節因子であるPTEN(ホスファターゼ・テンシン・ホモログ)およびINPP4B(タイプIIイノシトールポリリン酸4-ホスファターゼ)の遺伝子欠損が高頻度で生じるため、ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)シグナル伝達経路の過剰活性化を提示している。しかしPI3K阻害薬はPI3K下流のシグナル伝達ループを代償的に増幅することから、BLBC対応における臨床効果は制限されていた。したがって、重要なPI3Kメディエーターの同定は、有効なBLBC治療薬の開発にとって最も重要である。われわれは活性化されたPIK3CA発現BLBC細胞のトランスクリプトーム解析を用い、発がん性であるPI3Kシグナル伝達の重要な標的として、体液性のパターン認識分子であるペントラキシン-3(PTX3)をコードする遺伝子を同定した。また、PTX3の存在量は一部、AKTおよび核因子κB(NF-κB)依存性の経路を介して刺激され、しかもPI3K誘発性の幹細胞様特性にはPTX3の存在が必要であることを見出した。さらにBLBCを有する患者の腫瘍検体においてPTX3は高発現し、これが患者の生存率の不良に関する予後予測因子であることを明らかにした。このようにわれわれの結果は、新たに同定されたPI3K調節性のバイオマーカーとして、さらにBLBCにおける治療標的候補としてのPTX3を解明した。

Citation: C. Thomas, W. Henry, B. G. Cuiffo, A. Y. Collmann, E. Marangoni, V. Benhamo, M. K. Bhasin, C. Fan, L. Fuhrmann, A. S. Baldwin, C. Perou, A. Vincent-Salomon, A. Toker, A. E. Karnoub, Pentraxin-3 is a PI3K signaling target that promotes stem cell–like traits in basal-like breast cancers. Sci. Signal. 10, eaah4674 (2017).

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