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DNA損傷に応答したp53の動態は、細胞株によって異なり、DNA修復の効率およびキナーゼATMの活性により形作られる

p53 dynamics in response to DNA damage vary across cell lines and are shaped by efficiency of DNA repair and activity of the kinase ATM

Research Article

Sci. Signal. 25 Apr 2017:
Vol. 10, Issue 476, eaah6671
DOI: 10.1126/scisignal.aah6671

Jacob Stewart-Ornstein and Galit Lahav*

Department of Systems Biology, Harvard Medical School, Boston, MA 02115, USA.

* Corresponding author. Email: galit@hms.harvard.edu

要約

細胞系は幅広いシグナル伝達ダイナミクスを示す。これらのダイナミクスの多くは、決まった周波数での振動など、非常に常同的である。しかしながら、シグナル伝達ダイナミクスの役割に関するほとんどの研究は、1つまたは少数の細胞株に焦点を当てており、組織や細胞株の多様性は、ほぼ未踏の問題として残されている。われわれは、DNA損傷に応答して細胞周期停止やアポトーシスを調節する腫瘍抑制タンパク質p53の動態に焦点を当てた。われわれは、野生型p53を発現する12のがん細胞株について生細胞レポーターを確立し、二重鎖切断誘導性DNA損傷に応答したp53の動態を定量化した。調べた細胞株の多くにおいて、p53の存在量が電離放射線またはDNA損傷化学療法ネオカルチノスタチンに応答して振動し、振動の周期性が固定されていることがわかった。他の細胞株では、p53の存在量は、単一の長いパルスまたは持続的誘導など、異なる様式で動的に変化していた。われわれは、p53シグナル伝達ダイナミクスの単一細胞アッセイ、生細胞低分子スクリーニング、および数理モデルを組み合わせることにより、p53の動態を摂動させる分子を同定し、DNA修復効率およびキナーゼATM(血管拡張性失調症変異)の活性における細胞特異的な差異がp53動態のシグナル伝達の全容を制御することを明らかにした。野生型p53の動態は細胞株間で大きく異なるため、われわれの研究はモデル系として単一細胞株を用いることの限界を明らかにし、異なる細胞株や遺伝的背景にわたり他のシグナル伝達経路のダイナミクスを研究することの重要性を強調する。

Citation: J. Stewart-Ornstein, G. Lahav, p53 dynamics in response to DNA damage vary across cell lines and are shaped by efficiency of DNA repair and activity of the kinase ATM. Sci. Signal. 10, eaah6671 (2017).

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