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非リン酸化ISGF3はインターフェロン誘導遺伝子の恒常的発現を促進してウイルス感染を防ぐ

Unphosphorylated ISGF3 drives constitutive expression of interferon-stimulated genes to protect against viral infections

Research Article

Sci. Signal. 25 Apr 2017:
Vol. 10, Issue 476, eaah4248
DOI: 10.1126/scisignal.aah4248

Wenshi Wang1, Yuebang Yin1, Lei Xu1, Junhong Su2, Fen Huang2, Yijin Wang1, Patrick P. C. Boor1, Kan Chen1, Wenhui Wang1, Wanlu Cao1, Xinying Zhou1, Pengyu Liu1, Luc J. W. van der Laan3, Jaap Kwekkeboom1, Maikel P. Peppelenbosch1, and Qiuwei Pan1,*

1 Department of Gastroenterology and Hepatology, Postgraduate School Molecular Medicine, Erasmus MC University Medical Center, Rotterdam, Netherlands.
2 Medical Faculty, Kunming University of Science and Technology, Kunming, PR China.
3 Department of Surgery, Postgraduate School Molecular Medicine, Erasmus MC University Medical Center, Rotterdam, Netherlands.

* Corresponding author. Email: q.pan@erasmusmc.nl

要約
インターフェロン(IFN)誘導遺伝子(ISG)は、IRF9とリン酸化型STAT1およびSTAT2の3分子から成る転写因子ISGF3の形成を介して、IFNによって誘導される抗ウイルスエフェクターである。しかし、われわれは、不死化細胞株、腸および肝オルガノイド、ならびに肝組織において、IFN非依存性のISG発現が検出可能であることを見出した。ISGの常時発現は、IRF9とともに非リン酸化STAT1およびSTAT2で構成される非リン酸化ISGF3(U-ISGF3)複合体によってもたらされた。恒常的条件下では、STAT1、STAT2、IRF9が核内に認められた。クロマチン免疫沈降シークエンシングデータセットの解析により、STAT1は、IFNの非存在下でも、ISGのプロモーターに特異的に結合することが明らかになった。RNA干渉によりSTAT1、STAT2、IRF9のいずれかをノックダウンすると、Huh7.5ヒト肝細胞においてさまざまなISGの発現が低下し、このことは、STAT1−/−STAT2−/−、または IRF9−/−マウスのマウス胚線維芽細胞(MEF)において確認された。さらに、ISG発現の低下に伴い、C型肝炎ウイルスおよびE型肝炎ウイルスの複製が増加した。逆に、いずれか1つの因子ではなく、ISGF3の構成要素すべてを同時に過剰発現させると、ISGの発現が誘導され、ウイルス複製が抑制されたが、リン酸化STAT1およびSTAT2は検出されなかった。リン酸化欠損STAT1変異体は、IFN非依存性のISG発現と抗ウイルス活性の仲介において、野生型タンパク質と同等であったことから、ISGF3はリン酸化非依存的に作用することが示唆された。これらのデータから、U-ISGF3複合体は、恒常的条件下でのISGの常時発現および抗ウイルス免疫に、必要かつ十分であることが示唆される。

Citation: W. Wang, Y. Yin, L. Xu, J. Su, F. Huang, Y. Wang, P. P. C. Boor, K. Chen, W. Wang, W. Cao, X. Zhou, P. Liu, L. J. W. van der Laan, J. Kwekkeboom, M. P. Peppelenbosch, Q. Pan, Unphosphorylated ISGF3 drives constitutive expression of interferon-stimulated genes to protect against viral infections. Sci. Signal. 10, eaah4248 (2017).

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