• ホーム
  • 脾臓白血球が心不全における炎症の消散を決定する

脾臓白血球が心不全における炎症の消散を決定する

Splenic leukocytes define the resolution of inflammation in heart failure

Research Article

Sci. Signal. 06 Mar 2018:
Vol. 11, Issue 520, eaao1818
DOI: 10.1126/scisignal.aao1818

Ganesh V. Halade1,*, Paul C. Norris2, Vasundhara Kain1, Charles N. Serhan2, and Kevin A. Ingle1

1 Division of Cardiovascular Disease, Department of Medicine, University of Alabama at Birmingham, Birmingham, AL 35294, USA.
2 Center for Experimental Therapeutics and Reperfusion Injury, Department of Anesthesiology, Perioperative and Pain Medicine, Brigham and Women's Hospital and Harvard Medical School, Boston, MA 02115, USA.

* Corresponding author. Email: ganeshhalade@uabmc.edu

要約

炎症は心筋梗塞の治癒を促進するが、消散しなかった場合は心不全をもたらす。炎症と消散の反応を明らかにするため、われわれは炎症とその消散を識別することを目的として、梗塞後の左心室ならびに脾臓における白血球の輸送および特殊な収束促進性メディエーター(SPM)を定量化した。われわれのデータは、マウスにおいて脾臓は白血球の貯蔵庫になるのみならず、冠動脈結紮後にSPMが活発に生成される部位であることも示唆していた。心筋梗塞の前には、SPMは左心室よりも脾臓において豊富であった。冠動脈結紮の翌日、脾臓では白血球が枯渇しており、この現象は、梗塞後の左心室において白血球数が増加し、同部位でSPM(特にレゾルビン、マレシン、リポキシンおよびプロテクチン)の産生が増加していたことと関連していた。さらに、梗塞後の左心室ではリポキシゲナーゼをコードする遺伝子の発現が増大し、それらの酵素により生成されるSPMの産生が亢進していた。われわれは、SPM産生にマクロファージが必要なことを見出した。心筋梗塞前の脾臓におけるSPMの存在量、並びに心筋梗塞後24時間以内の梗塞後左心室におけるSPM濃度の増加は、炎症の消散と時間的に関連していた。このように、急性炎症反応は、心筋梗塞後の活発な消失期と同期しており、心不全におけるマクロファージ由来のSPMについてさらなる検討が必要なことを示唆している。

Citation: G. V. Halade, P. C. Norris, V. Kain, C. N. Serhan, K. A. Ingle, Splenic leukocytes define the resolution of inflammation in heart failure. Sci. Signal. 11, eaao1818 (2018).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2018年3月6日号

Editors' Choice

感染は概日リズムを変化させる

Research Article

外側手綱におけるコルチコトロピン放出因子シグナル伝達の役割と幼少期ストレスによるその調節

脾臓白血球が心不全における炎症の消散を決定する

分裂促進性ではなく炎症性条件がp38阻害に対する補償シグナル伝達応答へ滑膜線維芽細胞を向かわせる

Research Resources

cAMPr:環状AMPに対する単一波長蛍光センサー

最新のResearch Article記事

2026年08月25日号

BRAFの脊髄感覚シナプスへの動員は経シナプス的なNMDA受容体活性を増強することによって神経障害性疼痛を促進する

2026年08月18日号

腹側被蓋野におけるグルタミン酸-ドーパミン、非グルタミン酸-ドーパミン、およびグルタミン酸単独ニューロンの特性の違い

2026年08月11日号

多価不飽和脂肪酸のLRP5依存性輸送はナチュラルキラー細胞の免疫チェックポイントとして機能する

2026年08月04日号

アデノシン2A受容体はミクログリアによるエフェロサイトーシスを駆動して脳卒中後の白質修復と機能回復を加速する

2026年07月28日号

ADARによるA-to-I RNA編集の低下はPumilioを介したMAPKシグナル伝達の阻害を破綻させ腸管幹細胞の老化を促進する