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分裂促進性ではなく炎症性条件がp38阻害に対する補償シグナル伝達応答へ滑膜線維芽細胞を向かわせる
Inflammatory but not mitogenic contexts prime synovial fibroblasts for compensatory signaling responses to p38 inhibition
Sci. Signal. 06 Mar 2018:
Vol. 11, Issue 520, eaal1601
DOI: 10.1126/scisignal.aal1601
Douglas S. Jones1,2, Anne P. Jenney2, Brian A. Joughin1,3, Peter K. Sorger2, and Douglas A. Lauffenburger1,3,*
1 Department of Biological Engineering, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, MA 02139, USA.
2 Laboratory of Systems Pharmacology, Library of Integrated Network-based Cellular Signatures Center, Harvard Medical School, Boston, MA 02115, USA.
3 Koch Institute for Integrative Cancer Biology, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, MA 02139, USA.
* Corresponding author. Email: lauffen@mit.edu
要約
関節リウマチ(RA)は、関節痛、腫脹、機能喪失を引き起こす慢性炎症性疾患である。効果的な新薬の開発は、部分的には、薬理学的介入の影響を複雑にする細胞内シグナル伝達ネットワークの複雑さおよび相互関係性のために困難であることがわかっている。われわれは、RAにおいて活性化されるキナーゼシグナル伝達経路を明らかにし、標的化された阻害剤の多変量効果を評価した。RA患者由来の滑液は、RAの進行を促進するストローマ細胞型の一つである滑膜線維芽細胞(SF)においてキナーゼシグナル伝達経路JAK、JNK、p38、およびMEKを活性化した。キナーゼ阻害剤は、刺激の状況に応じて「オフターゲット」経路のシグナル伝達を増強した。RAの臨床試験で広く研究されてきたp38の阻害剤は、炎症性ではあるが分裂促進性ではない状況において、SFにおける核内因子κB(NF-κB)、JNK、およびMEKシグナル伝達の望ましくない増加をもたらした。これは、MAPKシグナル伝達における負のフィードバックループ内で部分的に機能する転写因子CREBによって媒介された。CREBの活性化は、炎症性刺激に応答した場合、p38によって主に誘導されたが、分裂促進刺激に応答した場合はMEKによって誘発された。したがって、p38またはMEKを標的とする薬物の効果は、分裂促進または炎症条件下で培養されたSFにおいて顕著に異なっていた。合わせると、これらの結果は、固定されたネットワークトポロジーであっても、刺激状況が経路クロストークにおける優位性をいかに変えうるかを例証しており、したがって、なぜp38の阻害剤がRAにおいて限られた効用をもたらすのかという疑問に対する理論的根拠を与え、炎症関連疾患におけるp38標的薬物の熟慮の必要性を示した。
Citation: D. S. Jones, A. P. Jenney, B. A. Joughin, P. K. Sorger, D. A. Lauffenburger, Inflammatory but not mitogenic contexts prime synovial fibroblasts for compensatory signaling responses to p38 inhibition. Sci. Signal. 11, eaal1601 (2018).