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IL-15受容体のナノスケールでの再構築がNKG2Dによってリガンド依存的に誘導される

A nanoscale reorganization of the IL-15 receptor is triggered by NKG2D in a ligand-dependent manner

Research Article

Sci. Signal. 10 Apr 2018:
Vol. 11, Issue 525, eaal3606
DOI: 10.1126/scisignal.aal3606

Štefan Bálint*,†, Filipa B. Lopes*,‡, and Daniel M. Davis§

Manchester Collaborative Centre for Inflammation Research, The University of Manchester, 46 Grafton Street, Manchester M13 9NT, UK.

§ Corresponding author. Email: daniel.davis@manchester.ac.uk

* These authors contributed equally to this work.

† Present address: Kennedy Institute of Rheumatology, University of Oxford, Oxford OX3 7FY, UK.

‡ Present address: Immunocore Limited, Abingdon OX14 4RY, UK.

要約

ナチュラルキラー(NK)細胞およびT細胞サブセット表面に存在する活性化受容体であるナチュラルキラーグループ2D(NKG2D)は、感染または形質転換細胞上に存在するMICAおよびULBP2などのストレス誘導タンパク質を認識する。各NKG2Dリガンド(NKG2DL)が異なる生物学的役割を有するか否かは不明である。われわれは、超解像顕微鏡を用いて、NKG2Dがヒト初代NK細胞表面上にナノクラスタとして構成的に配列していることを明らかにした。NKG2DのナノクラスタはMICAとのライゲーションによって縮小する一方、ULBP2による活性化によって拡大した。また、ULBP2は、インターロイキン2(IL-2)およびIL-15(IL-2/IL-15Rβ)のいずれについても、これらのサイトカイン受容体サブユニットがNKG2Dのナノクラスタと融合する形で、サイトカイン受容体サブユニットのナノクラスタの再構築を誘発した。機能的には、ULBP2によって活性化されるNK細胞の応答は、ULBP2結合NKG2D とIL-15/IL-15R複合体(IL-15Rαコーティング表面によるトランス提示)との相互作用によって亢進した。これらのデータから、NKG2Dはそれぞれ活性能が同等ではないことが示唆され、リガンドの誘導する細胞表面のナノスケールでの構造変化が免疫応答に影響を及ぼす仕組みに関する、未知のパラダイムが提唱される。

Citation: Š. Bálint, F. B. Lopes, D. M. Davis, A nanoscale reorganization of the IL-15 receptor is triggered by NKG2D in a ligand-dependent manner. Sci. Signal. 11, eaal3606 (2018).

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