• ホーム
  • IKKαとLC3の相互作用がTLR9含有LAPosomeを介してI型インターフェロン産生を促進する

IKKαとLC3の相互作用がTLR9含有LAPosomeを介してI型インターフェロン産生を促進する

The interaction between IKKα and LC3 promotes type I interferon production through the TLR9-containing LAPosome

Research Article

Sci. Signal. 01 May 2018:
Vol. 11, Issue 528, eaan4144
DOI: 10.1126/scisignal.aan4144

Kachiko Hayashi1, Manabu Taura1, and Akiko Iwasaki1,2,*

1 Department of Immunobiology, Yale University, New Haven, CT 06520, USA.
2 Howard Hughes Medical Institute, Yale University, New Haven, CT 06520, USA.

* Corresponding author. Email: akiko.iwasaki@yale.edu

要約

Toll様受容体9(TLR9)は、エンドソーム内のDNAを認識し、炎症性サイトカインとI型インターフェロン(IFN)の産生を刺激する別々のシグナル伝達経路を活性化する。IFN産生を刺激するがインターロイキン-12 p40(IL-12p40)の産生には必要ないTLR9シグナルの伝達には、微小管結合タンパク質1A/1B‐軽鎖3(LC3)を表面にもつエンドソーム小胞における、シグナル伝達プラットフォームの構築が必要である。非標準的なオートファジーの一形態であるLC3関連ファゴサイトーシス(LAP)は、インターフェロン調節因子7(IRF7)の活性化とIFN合成に不可欠である。われわれは、CpGオリゴヌクレオチドによるTLR9の刺激後、オートファジータンパク質LC3とキナーゼIKKαが、TLR9を含有するエンドソームに動員されることを示した。そのようなシグナル伝達エンドソームへのIKKαとLC3の動員は、古典的オートファゴソーム形成の促進因子によっては刺激されず、LAP形成が関与しており、ATG5を必要としたが、FIP200は必要なかった。加えて、LC3-IKKα複合体はさらに、TRAF3とIRF7の両方と結合することが見出された。IKKαにおいてLC3相互作用領域(LIR)と推定される3ヵ所が同定され、変異導入実験から、このうち2ヵ所がLC3との直接結合に不可欠であることが示唆された。さらに、それらと同じLIR配列に変異がある場合には、再構成したIKKα欠損樹状細胞においてI型IFN産生が回復しなかった。総合するとこれらのデータからは、I型IFN産生の促進に必要なTLR9活性化の下流で、LAP形成とIKKα動員が直接的につながっていることが示唆される。

Citation: K. Hayashi, M. Taura, A. Iwasaki, The interaction between IKK interferon production through the TLR9-containing LAPosome. Sci. Signal. 11, eaan4144 (2018).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2018年5月1日号

Editors' Choice

小胞体ストレスががんを阻害するとき

Research Article

核内PTENはマイクロRNAレギュロンの成熟を促進し、敗血症のMyD88依存的感受性を制限する

VEGF-ニューロピリン-2シグナル伝達はRac GAP β2-キメリンのTAZ媒介性抑制によって乳がん細胞における幹様形質を促進する

IKKαとLC3の相互作用がTLR9含有LAPosomeを介してI型インターフェロン産生を促進する

モノラウリン酸グリセロールはLATとSLP-76ミクロクラスターとの結合を遮断することにより糸状仮足の形成を誘導する

最新のResearch Article記事

2025年05月27日号

多発性硬化症マウスモデルにおいてSMAD2のS-パルミトイル化が自身のリンカー領域のリン酸化とTH17細胞の分化を促進する

2025年05月27日号

YAPはRho GTPaseスイッチを介して細胞の移動と浸潤を制御する

2025年05月20日号

増殖促進性シグナル伝達におけるmerlin-Rac拮抗作用の形態学的調節

2025年05月20日号

希少疾患を引き起こすGαs機能喪失型バリアントは、GPCRシグナル伝達に対して変異特異的影響を及ぼしている

2025年05月13日号

恒常的シナプス可塑性におけるADAR2を介したGluA2のQ/R編集