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Aurora BはPP1調節タンパク質の保存されたPP1結合RVxFモチーフをリン酸化することにより有糸分裂時のPP1機能に対抗する

Aurora B opposes PP1 function in mitosis by phosphorylating the conserved PP1-binding RVxF motif in PP1 regulatory proteins

Research Article

Sci. Signal. 15 May 2018:
Vol. 11, Issue 530, eaai8669
DOI: 10.1126/scisignal.aai8669

Isha Nasa1, Scott F. Rusin2, Arminja N. Kettenbach2,3,*, and Greg B. Moorhead1,*

1 Department of Biological Sciences, University of Calgary, Calgary, Alberta T2N 1N4, Canada.
2 Department of Biochemistry and Cell Biology, Geisel School of Medicine at Dartmouth, Hanover, NH 03755, USA.
3 Norris Cotton Cancer Center, Geisel School of Medicine at Dartmouth, Lebanon, NH 03756, USA.

* Corresponding author. Email: moorhead@ucalgary.ca (G.B.M.); arminja.n.kettenbach@dartmouth.edu (A.N.K.)

要約

プロテインホスファターゼ1(PP1)は、真核生物においてセリンおよびスレオニンの脱リン酸化反応の大部分を行い、セリンおよびスレオニン(Ser-Thr)プロテインキナーゼの多様なセットの作用に対抗する、高度に保存されたプロテインホスファターゼである。PP1は、その局在、活性、および基質との相互作用を制御する多数(>200)の調節タンパク質に結合することにより基質特異性を獲得する。PP1は、これらの調節タンパク質の多くに存在するよく特徴付けられたRVxF結合モチーフを認識し、これにより多数の異なるPP1ホロ酵素を生成する。われわれは、xがリン酸化可能なアミノ酸であるRVxF結合モチーフ(RV[S/T]F)のサブセットが有糸分裂時に特異的にリン酸化され、このリン酸化事象がPP1と調節タンパク質との相互作用を抑止することを示した。われわれは、このリン酸化が、主に有糸分裂プロテインキナーゼAurora Bによって支配され、これらの部位でのリン酸化部位の高いストイキオメトリーが、PP1ホロ酵素の会合を阻害することにより有糸分裂時のPP1基質のリン酸化を維持したと判断した。われわれは、RV[S/T]Fモチーフのリン酸化型(RVp[S/T]F)を認識する抗体を作製し、それを用いて、既知のPP1調節タンパク質(KNL1、CDCA2、およびRIF1)と、この機構により支配されるPP1結合パートナーとして潜在的に作用しうる複数のタンパク質(UBR5、ASPM、SEH1、およびELYS)を同定した。まとめると、これらのデータは、Aurora BおよびPP1の協調的な活性が有糸分裂の進行を制御するという一般的な調節機構を示唆する。

Citation: I. Nasa, S. F. Rusin, A. N. Kettenbach, G. B. Moorhead, Aurora B opposes PP1 function in mitosis by phosphorylating the conserved PP1-binding RVxF motif in PP1 regulatory proteins. Sci. Signal. 11, eaai8669 (2018).

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