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Gタンパク質シグナル伝達調節因子(RGS)R12サブファミリーの「破壊(Disruptor)」残基はGαサブユニットの不活性化を弱める

“Disruptor” residues in the regulator of G protein signaling (RGS) R12 subfamily attenuate the inactivation of Gα subunits

Research Article

Sci. Signal. 12 Jun 2018:
Vol. 11, Issue 534, eaan3677
DOI: 10.1126/scisignal.aan3677

Ali Asli, Isra Sadiya, Meirav Avital-Shacham, and Mickey Kosloff*

Department of Human Biology, Faculty of Natural Science, University of Haifa, Haifa 3498838, Israel.

* Corresponding author. Email: kosloff@sci.haifa.ac.il

要約

RGS(Gタンパク質シグナル伝達調節因子)タンパク質とヘテロ三量体(αβγ)Gタンパク質との相互作用特異性の分子基礎を理解することは、RGS-Gタンパク質相互作用の操作を可能にし、それらの機能を探索し、治療的にそれらを効果的に標的化しうる。RGSタンパク質は4つのサブファミリー(R4、R7、RZ、およびR12)に分類され、Gαサブユニットを不活性化することによりGタンパク質シグナル伝達の負の調節因子として機能する。われわれは、R12サブファミリーメンバーRGS10およびRGS14が、GiサブファミリーメンバーGαoに対して、ほとんどのR4サブファミリーメンバーより低い活性をもつことを見出した。複数のGα-RGS複合体を用いた構造ベースエネルギー計算を用いて、われわれは、このサブファミリーの活性の違いを決定すると予測される位置に、R12に特異的な残基を同定した。この解析は、われわれが「破壊(Disruptor)残基」と呼ぶこれらの残基がGαヘリックスドメインと相互作用することを予測した。われわれは、高活性R4サブファミリーのRGSドメインにR12破壊残基を組み込み、これらの改変タンパク質がGαoに対する活性低下を示すことを見出した。逆に、RGS18(Gαoに対して低活性を示すR4サブファミリーのメンバー)の推定破壊残基を、高活性R4サブファミリーRGSタンパク質由来の対応する残基で置換すると、Gαoに対する活性が増加した。さらに、Gαoに対するR4サブファミリーの高活性は、R12サブファミリーおよびRGS18破壊残基に対する相同位置の残基とは無関係であった。したがって、われわれの結果は、同定されたRGS破壊残基が、特定のGαタンパク質に対するRGS活性を減弱させる負の設計要素として機能することを示唆する。

Citation: A. Asli, I. Sadiya, M. Avital-Shacham, M. Kosloff, "Disruptor" residues in the regulator of G protein signaling (RGS) R12 subfamily attenuate the inactivation of Gα subunits. Sci. Signal. 11, eaan3677 (2018)

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