• ホーム
  • 接触阻害性Ephシグナル伝達はEGFR活性を小胞リサイクルから切り離すことによりEGF促進性細胞移動を抑制する

接触阻害性Ephシグナル伝達はEGFR活性を小胞リサイクルから切り離すことによりEGF促進性細胞移動を抑制する

Contact inhibitory Eph signaling suppresses EGF-promoted cell migration by decoupling EGFR activity from vesicular recycling

Research Article

Sci. Signal. 31 Jul 2018:
Vol. 11, Issue 541, eaat0114
DOI: 10.1126/scisignal.aat0114

Wayne Stallaert1,2, Yannick Brüggemann1,3, Ola Sabet1,3,4, Lisa Baak1, Marina Gattiglio1,3, and Philippe I. H. Bastiaens1,3,*

1 Department of Systemic Cell Biology, Max Planck Institute of Molecular Physiology, Otto-Hahn-Str.11, 44227 Dortmund, Germany.
2 Department of Genetics, University of North Carolina, Chapel Hill, NC 27599-7264, USA.
3 Faculty of Chemistry and Chemical Biology, TU Dortmund, Otto-Hahn-Str. 6, 44227 Dortmund, Germany.
4 Department of Molecular Life Sciences, University of Zurich, Irchel Campus, Winterthurerstrasse 190, CH-8057 Zurich, Switzerland.

* Corresponding author. Email: philippe.bastiaens@mpi-dortmund.mpg.de

要約

環境に関連して増殖因子に対する応答に適応する細胞の能力は、組織発生および恒常性の不可欠な側面である。われわれは、細胞間接触から受容体チロシンキナーゼのEphファミリーにより媒介されるシグナル伝達が、その受容体であるEGFRの小胞輸送を調節することによって成長因子EGFに対する細胞応答を変化させることを見出した。Eph受容体活性化は、Akt依存性小胞リサイクルを阻害することにより、Rab5陽性の初期エンドソームにおけるEGFRを捕捉した。EGFR活性の空間分布を変化させることにより、細胞膜からのEGF促進性Aktシグナル伝達が抑制され、それによって細胞移動が阻害された。対照的に、エンドソームEGFRからのERKシグナル伝達は保存され、EGF刺激に対する増殖応答を維持した。われわれはまた、Gタンパク質共役型受容体Kiss1(Kiss1R)に関与する可溶性細胞外シグナルが、同様にEGFR小胞リサイクルを抑制してEGF促進性移動を阻害することを見出した。EphまたはKiss1R活性化はまた、構成的Akt活性の増加を示すPten−/−マウス胚線維芽細胞およびEGFRを過剰発現するMDA-MB-231トリプルネガティブ乳がん細胞におけるEGF促進性移動を抑制した。したがって、細胞環境は、EGFR小胞輸送ダイナミクスを調節することによって、EGF刺激に対する文脈依存的応答を生成することができる。

Citation: W. Stallaert, Y. Brüggemann, O. Sabet, L. Baak, M. Gattiglio, P. I. H. Bastiaens, Contact inhibitory Eph signaling suppresses EGF-promoted cell migration by decoupling EGFR activity from vesicular recycling. Sci. Signal. 11, eaat0114 (2018).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2018年7月31日号

Editors' Choice

白血病の補充療法

Research Article

接触阻害性Ephシグナル伝達はEGFR活性を小胞リサイクルから切り離すことによりEGF促進性細胞移動を抑制する

コレステロール硫酸は眼の組織特異的免疫回避を仲介するDOCK2阻害剤である

非古典的NF-κB構成要素のCDK12を介した転写制御がシグナル伝達に不可欠

最新のResearch Article記事

2025年04月22日号

がん細胞の再上皮化がオートファジーとDNA損傷を増加させる:乳がんの休眠と再発への影響

2025年04月08日号

統合失調症治療薬チオチキセンはアルギナーゼ1および連続的なエフェロサイトーシスを誘導することによってマクロファージを刺激して病原性細胞を除去する

2025年04月01日号

RIPK3はニューロンでRHIMドメイン依存性の抗ウイルス炎症転写を調整する

2025年03月25日号

細胞内RNAに結合するループス由来自己抗体はcGASに媒介される腫瘍免疫を活性化し、RNAを細胞へ送達することができる

2025年03月18日号

転移性前立腺がんにおいてキナーゼPLK1は、抗アンドロゲン剤エンザルタミドに対するヘッジホッグシグナル伝達依存性の耐性を促進する