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キナーゼドメイン二量体化はRIPK3依存性ネクロトーシスを促進する

Kinase domain dimerization drives RIPK3-dependent necroptosis

Research Article

Sci. Signal. 21 Aug 2018:
Vol. 11, Issue 544, eaar2188
DOI: 10.1126/scisignal.aar2188

Saravanan Raju1, Daniel M. Whalen2, Meron Mengistu3, Carter Swanson3, John G. Quinn4, Susan S. Taylor5, Joshua D. Webster6, Kim Newton7, and Andrey S. Shaw1,3,*

1 Department of Pathology and Immunology, Washington University School of Medicine, St. Louis, MO 63110, USA.
2 Department of Structural Biology, Genentech, South San Francisco, CA 94080, USA.
3 Department of Research Biology, Genentech, South San Francisco, CA 94080, USA.
4 Department of Biochemical and Cellular Pharmacology, Genentech, South San Francisco, CA 94080, USA.
5 Departments of Chemistry/Biochemistry and Pharmacology, University of California, San Diego, 9500 Gilman Drive, La Jolla, CA 92093, USA.
6 Department of Pathology, Genentech, South San Francisco, CA 94080, USA.
7 Department of Physiological Chemistry, Genentech, South San Francisco, CA 94080, USA.

* Corresponding author. Email: shaw.andrey@gene.com

要約

炎症型細胞死であるネクロトーシスは、受容体相互作用プロテインキナーゼ3(RIPK3)の活性化によって開始され、RIPK1との相互作用に依存する。RIPK3の変異体D161Nは、触媒的に不活性であるが、RIPK1依存性アポトーシスを、また、RIPK3 D161Nホモ接合体マウスにおいて胚致死性を依然として刺激する。RIPK1の欠損はRIPK3 D161Nホモ接合マウスを救済するが、われわれは、RIPK1の欠損がRIPK3 D161Nヘテロ接合マウスの胚致死をもたらすことを報告する。このことは、RIPK3のキナーゼドメインが、D161N突然変異によって誘導される立体配座により増強された非触媒機能をもつことを示唆した。われわれは、RIPK3のキナーゼドメインが、RAFファミリーメンバーのキナーゼドメインと構造的類似性をもつ表面を介してホモ二量体化することを見出した。二量体界面にある残基の変異は、二量体化およびネクロトーシスを減じた。キナーゼドメイン二量体化は、シス-自己リン酸化を介してRIPK3の活性化を刺激した。この無触媒アロステリック活性は、D161Nを含むRIPK3の特定のキナーゼ欠損突然変異体によって増強された。さらに、特定のRIPK3阻害剤により誘導されるアポトーシスも、キナーゼ二量体化界面に依存していた。われわれの研究は、RIPK3のキナーゼドメインが、RIPK3依存性ネクロトーシスおよびアポトーシスの両方に重要な触媒的に独立した機能を示すことを明らかにする。

Citation: S. Raju, D. M. Whalen, M. Mengistu, C. Swanson, J. G. Quinn, S. S. Taylor, J. D. Webster, K. Newton, A. S. Shaw, Kinase domain dimerization drives RIPK3-dependent necroptosis. Sci. Signal. 11, eaar2188 (2018).

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