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細菌のRas/Rap1部位特異的エンドペプチダーゼRRSPは非定型機構によりRasを切断しRas-ERKシグナル伝達を阻害する

The bacterial Ras/Rap1 site-specific endopeptidase RRSP cleaves Ras through an atypical mechanism to disrupt Ras-ERK signaling

Research Article

Sci. Signal. 02 Oct 2018:
Vol. 11, Issue 550, eaat8335
DOI: 10.1126/scisignal.aat8335

Marco Biancucci1,*, George Minasov1,2, Avik Banerjee3, Alfa Herrera1, Patrick J. Woida1, Matthew B. Kieffer1, Lakshman Bindu4, Maria Abreu-Blanco4, Wayne F. Anderson2,5, Vadim Gaponenko6, Andrew G. Stephen4, Matthew Holderfield4, and Karla J. F. Satchell1,2,†

1 Department of Microbiology-Immunology, Feinberg School of Medicine, Northwestern University, Chicago, IL 60611, USA.
2 Center for Structural Genomics of Infectious Diseases, Feinberg School of Medicine, Northwestern University, Chicago, IL 60611, USA.
3 Department of Chemistry, University of Illinois at Chicago, Chicago, IL 60607, USA.
4 National Cancer Institute-RAS Initiative, Cancer Research Technology Program, Frederick National Laboratory for Cancer Research, Leidos Biomedical Research, Frederick, MD 21702, USA.
5 Department of Biochemistry and Molecular Genetics, Feinberg School of Medicine, Northwestern University, Chicago, IL 60611, USA.
6 Department of Biochemistry and Molecular Genetics, University of Illinois at Chicago, Chicago, IL 60607, USA.

† Corresponding author. Email: k-satchell@northwestern.edu

* Present address: GSK Vaccines, Rockville, MD 20850, USA.

要約

Ras-細胞外シグナル-調節キナーゼ経路は、細胞増殖を制御するのに重要であり、その異常な活性化は様々ながんの成長を促進する。多くの病原体は、Rasの活性を阻害する毒素を産生するため、がん治療のための有効なRas阻害剤を開発する努力は、病原体によるRas阻害の研究により情報を得られる可能性がある。ビブリオ・バルニフィカス(Vibrio vulnificus)は、細菌エフェクタードメインを宿主細胞に放出する毒素である多機能性自己プロセシング毒素内リピートに依存する方法で致命的な感染を引き起こす。そのようなドメインの1つは、低分子GTPアーゼRasおよびRap1のスイッチIドメインを部位特異的に切断するRas/Rap1特異的エンドペプチダーゼ(RRSP)である。われわれは、RRSPの結晶構造を解き、その骨格がEreA/ChaN様スーパーファミリーの酵素と構造的な折りたたみを共有することを見出した。このファミリーの他のプロテアーゼとは異なり、RRSPはメタロプロテアーゼではない。われわれは、核磁気共鳴分析およびヌクレオチド交換アッセイにより、RRSPによるKRASのプロセシングが、いかなる断片も放出せず、あるいは、KRASをその結合ヌクレオチドから解離させるのではなく、その代わりにその構造に局所的にしか影響しないことを確認した。しかしながら、KRASのこの構造変化は、グアニンヌクレオチド交換因子によるヌクレオチド交換を不能にし、KRASがRAFに結合するのを妨げるのに十分であった。したがって、RRSPは、その標的に限られた構造的障害を誘導しつつ、そのシグナル伝達ネットワークからRasを切り離す、これまでに認識されていない種類のプロテアーゼを代表する細菌エフェクターである。

Citation: M. Biancucci, G. Minasov, A. Banerjee, A. Herrera, P. J. Woida, M. B. Kieffer, L. Bindu, M. Abreu-Blanco, W. F. Anderson, V. Gaponenko, A. G. Stephen, M. Holderfield, K. J. F. Satchell, The bacterial Ras/Rap1 site-specific endopeptidase RRSP cleaves Ras through an atypical mechanism to disrupt Ras-ERK signaling. Sci. Signal. 11, eaat8335 (2018).

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