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調節性タンパク質IRBITが介在するキナーゼおよびホスファターゼの動員によるClシグナル伝達とイオン輸送の調節

Modulation of Cl signaling and ion transport by recruitment of kinases and phosphatases mediated by the regulatory protein IRBIT

Research Article

Sci. Signal. 30 Oct 2018:
Vol. 11, Issue 554, eaat5018
DOI: 10.1126/scisignal.aat5018

Laura Vachel1,*, Nikolay Shcheynikov1,*, Osamu Yamazaki1,2,*, Moran Fremder3, Ehud Ohana3, Aran Son1, Dong Min Shin4, Ai Yamazaki-Nakazawa1, Chin-Rang Yang5, Mark A. Knepper5, and Shmuel Muallem1,†

1 Epithelial Signaling and Transport Section, National Institute of Dental and Craniofacial Research, National Institutes of Health, Bethesda, MD 20892, USA.
2 Apheresis and Dialysis Center/General Medicine, Keio University, 35 Shinanomachi, Shinjuku-ku, Tokyo 160-0016, Japan.
3 Department of Clinical Biochemistry and Pharmacology, Faculty of Health Sciences, Ben Gurion University of the Negev, 84105 Beer Sheva, Israel.
4 Department of Oral Biology, BK 21 PLUS Project, Yonsei University College of Dentistry, Seoul 120-752, Korea.
5 Epithelial Systems Biology Laboratory, Systems Biology Center, National Heart, Lung, and Blood Institute, National Institutes of Health, Bethesda, MD 20892, USA.

† Corresponding author. Email: shmuel.muallem@nih.gov

* These authors contributed equally to this work and are first co-authors.

要約

IRBITは、NBCe1-Bをはじめとする上皮細胞の種々のイオン輸送体の活性を制御する多機能タンパク質である。IRBITとの相互作用はNBCe1-Bの活性を増強し、細胞内Cl(Clin)によるNBCe1-Bの調節を可能にする2つの潜在性のCl-感知GXXXP部位を露出させる。本稿ではホスホプロテオミクス解析により、トランスポーターの活性コンホメーションとClin.によるその調節の両方を決定するNBCe1-Bの5つのリン酸化部位を、IRBITが制御していることを明らかにした。また変異解析から、Ser232、Ser233およびSer235のリン酸化状態がIRBITにより制御されること、またこれが、NBCe1トランスポーターが活性と不活性のいずれのコンフォメーションをとるかを決定することが示唆された。Ser232、Ser233またはSer235がリン酸化されていないとき、それぞれpSer233/pSer235、pSer232/pSer235またはpSer232/pSer233のコンホメーションのNBCe1-Bが産生されていた。pSer233/pSer235型の活性はIRBIT活性化型NBCe1-Bのそれと類似していたが、Clinによる阻害に対して感受性を示さなかった。pSer232/pSer235型の特性は野生型NBCe1-Bのそれと類似していたが、一方でpSer232/pSer233型は部分的な活性をもち、IRBITによりさらに活性化されるものの、Clinによる阻害対して感受性を維持していた。さらにIRBITはホスファターゼPP1とキナーゼSPAKを動員してSer65のリン酸化を制御し、これが32GXXXP36モチーフによるClinの感知に影響していた。またIRBITは、ホスファターゼであるカルシニューリンとキナーゼCaMKIIを動員してSer12のリン酸化を制御し、これが194GXXXP198モチーフによるClinの感知に影響していた。Ser232、Ser233およびSer235はあらゆるNBCe1変異でも保存され、その活性に影響していた。これらの所見は、複数のキナーゼおよびホスファターゼ経路がどのようにしてリン酸化部位を利用し、上皮細胞における体液およびHCO3分泌に重要な役割を果たすトランスポーターを微調整しているかを明らかにしている。

Citation: L. Vachel, N. Shcheynikov, O. Yamazaki, M. Fremder, E. Ohana, A. Son, D. M. Shin, A. Yamazaki-Nakazawa, C.-R. Yang, M. A. Knepper, S. Muallem, Modulation of Cl signaling and ion transport by recruitment of kinases and phosphatases mediated by the regulatory protein IRBIT. Sci. Signal. 11, eaat5018 (2018).

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