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プロテインキナーゼのアロステリック調節の遺伝子操作

Engineering allosteric regulation in protein kinases

Research Article

Sci. Signal. 06 Nov 2018:
Vol. 11, Issue 555, eaar3250
DOI: 10.1126/scisignal.aar3250

David Pincus1,*,†, Jai P. Pandey1,*,‡, Zoë A. Feder1, Pau Creixell2,3,4,5, Orna Resnekov6, and Kimberly A. Reynolds7,8,*,†

1 Whitehead Institute for Biomedical Research, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, MA 02142, USA.
2 David H. Koch Institute for Integrative Cancer Research, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, MA 02139, USA.
3 Department of Biology, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, MA 02139, USA.
4 Department of Biological Engineering, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, MA 02139, USA.
5 Center for Precision Cancer Medicine, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, MA 02139, USA.
6 Currently unaffiliated independent scientist.
7 Green Center for Systems Biology, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas, TX 75390, USA.
8 Department of Biophysics, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas, TX 75390, USA.

† Corresponding author. Email: pincus@wi.mit.edu (D.P.); kimberly.reynolds@utsouthwestern.edu (K.A.R.)

* These authors contributed equally to this work.

‡ Present address: Food and Drug Administration, Silver Spring, MD 20903, USA.

要約

負に荷電したリン酸基の付加がタンパク質活性を調節するリン酸化調節は、動的な細胞応答を可能にする。新しいリン酸化調節がどのように獲得されるかを理解するため、われわれは、プロトタイプ酵母キナーゼ(Kss1)の表面を突然変異スキャンし、潜在的な調節部位を同定した。そのデータは、活性部位と共進化し、キナーゼ活性を優先的に調節してきた可能性のある、空間的に分布した「ホットスポット」のセットを明らかにした。これらのホットスポットに単純な保存リン酸化部位を操作することにより、われわれは酵母で細胞シグナル伝達を再配線した。ホモログ酵母マイトジェン活性化プロテインキナーゼHog1に対して同じ手法を用い、われわれは、局在およびシグナル伝達動態を変化させる新しいリン酸化調節を組み込んだ。われわれの発見は、合成生物学における使用可能性を示していることに加えて、同定されたホットスポットが、真核生物キノームの天然アロステリック調節機構の多様性に寄与していることを示唆しており、がんにおいて突然変異しているものがあることから、これらのホットスポットを理解することはヒト疾患と臨床的に関連する可能性がある。

Citation: D. Pincus, J. P. Pandey, Z. A. Feder, P. Creixell, O. Resnekov, K. A. Reynolds, Engineering allosteric regulation in protein kinases. Sci. Signal. 11, eaar3250 (2018).

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