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膜貫通型アダプタータンパク質NTALはマスト細胞のプロスタグランジンE2への走化性を制限する

The transmembrane adaptor protein NTAL limits mast cell chemotaxis toward prostaglandin E2

Research Article

Sci. Signal. 13 Nov 2018:
Vol. 11, Issue 556, eaao4354
DOI: 10.1126/scisignal.aao4354

Ivana Halova*, Monika Bambouskova, Lubica Draberova, Viktor Bugajev, and Petr Draber*

Department of Signal Transduction, Institute of Molecular Genetics of the Czech Academy of Sciences, CZ 14220 Prague, Czech Republic.

* Corresponding author. Email: draberpe@img.cas.cz (P.D.); ivana.halova@img.cas.cz (I.H.)

要約

マスト細胞の走化性は、マスト細胞の発生と機能に不可欠な工程の1つとなっている。非T細胞活性化リンカー(Non-T cell activation linker:NTAL)は、リン酸化に依存する形でマスト細胞とB細胞の活性化を阻害する膜貫通型アダプタータンパク質である。本稿では、プロスタグランジンE2(PGE2)によって刺激されたマウスマスト細胞の遊走におけるNTALの役割を調べた。PGE2はIgE免疫複合体の抗原とは異なり、NTALのチロシンリン酸化を誘導しないが、われわれは、NTALを欠損させるとマスト細胞のPGE2への走化性が亢進されることを見出した。NTAL欠損マスト細胞をPGE2で刺激すると、AKTのリン酸化とホスファチジルイノシトール3,4,5-三リン酸の産生が促進された。休止NTAL欠損マスト細胞では、腫瘍の侵襲性が高まったときによくみられる特徴であるβ1含有インテグリンの活性化の亢進とともに、ERMファミリータンパク質の抑制性スレオニンのリン酸化が認められた。レスキュー実験では、完全長の野生型NTALのみによってNTAL欠損細胞のPGE2への走化性が回復されることが示された。まとめると、これらのデータはNTALがマスト細胞のPGE2への走化性の主要な阻害因子であり、RHOA/ERM/β1-インテグリン軸とPI3K/AKT軸を介して作用している可能性があることを示唆している。

Citation: I. Halova, M. Bambouskova, L. Draberova, V. Bugajev, P. Draber, The transmembrane adaptor protein NTAL limits mast cell chemotaxis toward prostaglandin E2. Sci. Signal. 11, eaao4354 (2018).

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