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アスピリンはインターロイキン-11を介した制御性T細胞の保護を通して実験的自己免疫性脳脊髄炎を改善する

Aspirin ameliorates experimental autoimmune encephalomyelitis through interleukin-11-mediated protection of regulatory T cells

Research Article

Sci. Signal. 27 Nov 2018:
Vol. 11, Issue 558, eaar8278
DOI: 10.1126/scisignal.aar8278

Susanta Mondal1, Malabendu Jana1, Sridevi Dasarathi1, Avik Roy1, and Kalipada Pahan1,2,*

1 Division of Research and Development, Jesse Brown Veterans Affairs Medical Center, Chicago, IL 60612, USA.
2 Department of Neurological Sciences, Rush University Medical Center, Chicago, IL 60612, USA.

* Corresponding author. Email: kalipada_pahan@rush.edu

要約

多発性硬化症(MS)は、中枢神経系内で発現するミエリンタンパク質を自己免疫性T細胞が標的とすることで生じるヒト疾患である。MSではFoxP3を発現する制御性T細胞(Tregs)の数が減少し、これが自己反応性T細胞の活性化を促進している。アスピリン(アセチルサリチル酸)は最も広く使用されている非ステロイド性抗炎症薬であることから、われわれは、MSの動物モデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎マウスを用いて、その免疫調節作用を検討した。その結果われわれは、低用量アスピリンは、再発寛解型および慢性型の両方のマウスモデルにおいてEAEの臨床症状を抑制することを見出した。アスピリンは、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)特異的T細胞により引き起こされるEAEの進行、およびそれに伴う血管周囲肥厚、炎症および脱髄を抑制した。このようなアスピリンの効果は、CD25+FoxP3+Tregsの存在を必要としていた。アスピリンはT細胞においてFoxp3およびインターロイキン-4(IL-4)の量を増加させ、ナイーブT細胞からTヘルパー17(TH17)およびTH1細胞への分化を抑制した。またアスピリンは、Tregsの生成に必要な、転写因子CREBが介在するIl11の転写も増大させた。IL-11の中和は、Tregの分化に対するアスピリンの作用を相殺し、EAEを増悪させた。さらにわれわれは、FoxP3+Tregsの比率の維持およびEAEからのマウスの保護には、IL-11のみで十分であることを見出した。これらの結果から、これまで特徴づけされていなかったアスピリンの作用様式が明らかとなった。

Citation: S. Mondal, M. Jana, S. Dasarathi, A. Roy, K. Pahan, Aspirin ameliorates experimental autoimmune encephalomyelitis through interleukin-11-mediated protection of regulatory T cells. Sci. Signal. 11, eaar8278 (2018).

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