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aPKC特異的活性レポーターにより明らかにされたスフィンゴシン1‐リン酸による非定型プロテインキナーゼCの活性化

Activation of atypical protein kinase C by sphingosine 1-phosphate revealed by an aPKC-specific activity reporter

Research Article

Sci. Signal. 01 Jan 2019:
Vol. 12, Issue 562, eaat6662
DOI: 10.1126/scisignal.aat6662

Taketoshi Kajimoto1,2,*, Alisha D. Caliman1, Irene S. Tobias1, Taro Okada2, Caila A. Pilo1, An-Angela N. Van1, J. Andrew McCammon1, Shun-ichi Nakamura2, and Alexandra C. Newton1,*

1 Department of Pharmacology, University of California at San Diego, La Jolla, CA 92037, USA.
2 Division of Biochemistry, Department of Biochemistry and Molecular Biology, Graduate School of Medicine, Kobe University, Kobe 650-0017, Japan.

* Corresponding author. Email: anewton@ucsd.edu (A.C.N.); tkajimot@med.kobe-u.ac.jp (T.K.)

要約

非定型プロテインキナーゼC(aPKC)アイソザイムは、それらが脂質セカンドメッセンジャージアシルグリセロールによって調節されないという点でPKCスーパーファミリーにおいて独特であり、それにより異なるセカンドメッセンジャーがそれらの機能を急激に制御するかについての推測が導かれた。本研究では、われわれが設計した遺伝的にコードされるレポーターであるaPKC特異的Cキナーゼ活性レポーター(aCKAR)を用いて、脂質メディエータースフィンゴシン1-リン酸(S1P)がaPKCの細胞内活性を促進することを見出した。細胞内S1Pは、aPKCの精製されたキナーゼドメインに直接結合し、自己阻害制約を緩和し、それによりキナーゼを活性化した。コンピューターによる解析では、キナーゼドメイン上の潜在的な結合部位が同定され、そのうちの1つは生化学的に確証された。HeLa細胞において、aPKCのS1P依存的活性化はアポトーシスを抑制した。合わせると、われわれの発見は、aPKC調節のこれまでに記述されていない分子機構、細胞生存調節におけるS1Pの分子標的とaPKCの生化学的および生物学的機能をさらに探索するツールを同定する。

Citation: T. Kajimoto, A. D. Caliman, I. S. Tobias, T. Okada, C. A. Pilo, A.-A. N. Van, J. A. McCammon, S.-i. Nakamura, A. C. Newton, Activation of atypical protein kinase C by sphingosine 1-phosphate revealed by an aPKC-specific activity reporter. Sci. Signal. 12, eaat6662 (2019).

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