• ホーム
  • 低酸素環境下のがん関連線維芽細胞はNCBP2-AS2/HIARを増加させ、VEGFシグナル伝達の増強を介して内皮細胞発芽を促進する

低酸素環境下のがん関連線維芽細胞はNCBP2-AS2/HIARを増加させ、VEGFシグナル伝達の増強を介して内皮細胞発芽を促進する

Hypoxic cancer-associated fibroblasts increase NCBP2-AS2/HIAR to promote endothelial sprouting through enhanced VEGF signaling

Research Article

Sci. Signal. 05 Feb 2019:
Vol. 12, Issue 567, eaan8247
DOI: 10.1126/scisignal.aan8247

Fernanda G. Kugeratski1,*, Samuel J. Atkinson1, Lisa J. Neilson1, Sergio Lilla1, John R. P. Knight1, Jens Serneels2, Amelie Juin1, Shehab Ismail1,3, David M. Bryant1,3, Elke K. Markert3, Laura M. Machesky1,3, Massimiliano Mazzone2,4, Owen J. Sansom1,3, and Sara Zanivan1,3,†

1 Cancer Research UK Beatson Institute, Glasgow G61 1BD, UK.
2 Laboratory of Tumor Inflammation and Angiogenesis, Center for Cancer Biology (CCB), VIB, 3000 Leuven, Belgium.
3 Institute of Cancer Sciences, University of Glasgow, Glasgow G61 1QH, UK.
4 Laboratory of Tumor Inflammation and Angiogenesis, Department of Oncology, KU Leuven, 3000 Leuven, Belgium.

† Corresponding author. Email: s.zanivan@beatson.gla.ac.uk

* Present address: Department of Cancer Biology, Metastasis Research Center, University of Texas MD Anderson Cancer Center, Houston, TX 77054, USA.

要約

腫瘍内低酸素は正常に機能しない血管の形成を引き起こし、それらの血管が腫瘍の転移に寄与し、治療法の有効性を低下させる。血管は、がん関連線維芽細胞(CAF)が中心的な細胞成分となる腫瘍間質に埋め込まれている。われわれは、低酸素環境下のヒト乳腺CAFが、in vitroのCAF-内皮細胞共培養系において血管新生を促進することを見出した。CAFセクレトームの質量分析に基づくプロテオミクス解析により、低酸素環境下のCAFは、種々の血管新生促進因子および抑制因子の分泌を変化させることによって、血管の異常を引き起こすことが明らかになった。低酸素は、CAFプロテオームの顕著なリモデリングを誘導し、その中にはこれまでこの過程と関連付けられていなかったタンパク質が含まれていた。そのうち、特性が明らかにされていなかったタンパク質NCBP2-AS2(われわれはHIAR[hypoxia-induced angiogenesis regulator、低酸素誘導性血管新生調節因子]と新たに命名した)が、低酸素環境下のCAFにおいて存在量がもっとも増加したタンパク質であった。HIARをサイレンシングすると、血管新生促進因子VEGFAの分泌が低下し、その結果として内皮細胞のVEGF/VEGFR下流シグナル伝達が低下することによって、低酸素環境下のCAFの血管新生促進・遊走促進機能が消失した。本研究により、血管新生の調節因子が同定され、乳腺CAFにおける低酸素誘導性の分子変化の地図が提供された。

Citation: F. G. Kugeratski, S. J. Atkinson, L. J. Neilson, S. Lilla, J. R. P. Knight, J. Serneels, A. Juin,S. Ismail, D. M. Bryant, E. K. Markert, L. M. Machesky, M. Mazzone, O. J. Sansom, S. Zanivan, Hypoxic cancer-associated fibroblasts increase NCBP2-AS2/HIAR to promote endothelialsprouting through enhanced VEGF signaling. Sci. Signal. 12, eaan8247 (2019).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2019年2月5日号

Editor's Choice

転移性黒色腫におけるオートファジー非依存性p62

Research Article

低酸素環境下のがん関連線維芽細胞はNCBP2-AS2/HIARを増加させ、VEGFシグナル伝達の増強を介して内皮細胞発芽を促進する

小細胞肺がんにおいてLSD1阻害によりNOTCH活性化を標的化する

アダプタータンパク質CIN85によるT細胞の活性化および機能の抑制

最新のResearch Article記事

2021年10月5日号

cAMP生成の空間バイアスがPTH 1型受容体活性化に対する生物学的応答を決定する

T細胞の4つのPGE2受容体の個別および共通のシグナル伝達ネットワークを、システムズ・アプローチから解明

2021年9月28日号

SIRPαはSHP-2を隔離してIL-4およびIL-13のシグナル伝達とマクロファージのオルタナティブ活性化を促進する

メタボロミクスによるT細胞誘導性大腸炎の活性スクリーニングから抗炎症性代謝物を解明

2021年9月21日号

ラパマイシンの範囲を超えるmTORC1の生物学を解明する