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コッコミクサ(Coccomyxa)ロドプシンの結晶構造に基づく光開閉型プロトンチャネルの設計

Design of a light-gated proton channel based on the crystal structure of Coccomyxa rhodopsin

Research Article

Sci. Signal. 19 Mar 2019:
Vol. 12, Issue 573, eaav4203
DOI: 10.1126/scisignal.aav4203

Roman Fudim1,*, Michal Szczepek2,*, Johannes Vierock1, Arend Vogt1, Andrea Schmidt2, Gunnar Kleinau2, Paul Fischer1, Franz Bartl3, Patrick Scheerer2,†, and Peter Hegemann1,†

1 Experimental Biophysics, Institute for Biology, Humboldt-Universität zu Berlin, Invalidenstr. 42, 10115 Berlin, Germany.
2 Charité - Universitätsmedizin Berlin, corporate member of Freie Universität Berlin, Humboldt-Universität zu Berlin, Institute for Medical Physics and Biophysics, Group Protein X-ray Crystallography & Signal Transduction, Charitéplatz 1, D-10117 Berlin, Germany.
3 Biophysical Chemistry, Institute for Biology, Humboldt-Universität zu Berlin, Invalidenstr. 42, 10115 Berlin, Germany.

† Corresponding author. Email: patrick.scheerer@charite.de (P.S.); hegemann@rz.hu-berlin.de (P.H.)

* These authors contributed equally to this work.

要約

光駆動性プロトンポンプであるコッコミクサ・サブエリプソイディア(Coccomyxa subellipsoidea)ロドプシン(CsR)は、異種の宿主細胞で高発現可能なため、制御された電気化学的条件下でのプロトンの能動輸送を研究する機会を提供している。本研究において、2.0-Åの分解能でCsRの結晶構造を解明した結果、膜タンパク質のイオン輸送の方向性および電位感受性を決定する個別の特徴を同定することができた。高度に保存されているArg83とその付近の保存されていないチロシン(Tyr14)との特異的な水素結合から、CsRからCySeRは光遺伝学的アッセイに利用可能な作動性光開閉型プロトンチャネル(CySeR)へ変換する構造ベースの道筋がつけられた。時間分解性の電気生理学的および分光学的測定により、単一のタンパク質中でポンプ電流とチャネル電流が識別され、さらに、受動コンダクタンスを阻止する細胞外の動的バリアとして、CsR中のArg83の可動性が必要であることが強調された。本研究の知見から、ポンプ電流とチャネル電流とを区別する分子的拘束が、一般に予想されていたよりも構造的に限定されていることが解明された。これらの知識により、微生物のポンプに由来し従ってイオン特異的である新規の光遺伝学的ツールを、構造ベースで設計できるかもしれない。

Citation: R. Fudim, M. Szczepek, J. Vierock, A. Vogt, A. Schmidt, G. Kleinau, P. Fischer, F. Bartl, P. Scheerer, P. Hegemann, Design of a light-gated proton channel based on the crystal structure of Coccomyxa rhodopsin. Sci. Signal. 12, eaav4203 (2019).

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2019年3月19日号

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