• ホーム
  • ORAIチャネルによるCa2+流入の差次的制御がエナメル質の石灰化を媒介している

ORAIチャネルによるCa2+流入の差次的制御がエナメル質の石灰化を媒介している

Differential regulation of Ca2+ influx by ORAI channels mediates enamel mineralization

Research Article

Sci. Signal. 23 Apr 2019:
Vol. 12, Issue 578, eaav4663
DOI: 10.1126/scisignal.aav4663

Miriam Eckstein1, Martin Vaeth2, Francisco J. Aulestia1, Veronica Costiniti1, Serena N. Kassam3, Timothy G. Bromage1,4, Pal Pedersen5, Thomas Issekutz6, Youssef Idaghdour7, Amr M. Moursi3, Stefan Feske2, and Rodrigo S. Lacruz1,*

1 Department of Basic Science and Craniofacial Biology, New York University College of Dentistry, New York, NY 10010, USA.
2 Department of Pathology, New York University School of Medicine, New York, NY 10016, USA.
3 Department of Pediatric Dentistry, New York University College of Dentistry, New York, NY 10010, USA.
4 Department of Biomaterials, New York University College of Dentistry, New York, NY 10010, USA.
5 Carl Zeiss Microscopy, LLC, Thornwood, NY 10594, USA.
6 Department of Pediatrics, Dalhousie University, Halifax, NS B3H 4R2, Canada.
7 Biology Program, Division of Science and Mathematics, New York University Abu Dhabi, Abu Dhabi, United Arab Emirates.

* Corresponding author. Email: rodrigo.lacruz@nyu.edu

要約

ストア作動性Ca2+流入(SOCE)チャネルは、小胞体(ER)のセンサーであるSTIM1およびSTIM2により活性化される、高度な選択性をもつCa2+チャネルである。このチャネルと、細胞膜上の細孔形成ORAIタンパク質(ORAI1、ORAI2およびORAI3)との直接相互作用により、多くの細胞機能に重要な持続的Ca2+流入が生じる。ヒトORAI1遺伝子の変異により免疫不全、無汗性外胚葉形成不全症およびエナメル質形成不全に至る。エナメル質におけるORAIタンパク質の役割を検討する中で、われわれは、ORAI1無発現変異を有する1人の患者においてエナメル質形成不全を確認した。Orai1遺伝子を標的欠損させたマウスはエナメル質形成不全を示し、単離したエナメル質細胞ではSOCEが減少していた。しかしOrai2−/−マウスでは、エナメル質細胞のSOCEが増加していたにもかかわらず、正常なエナメル質を示した。エナメル質細胞株のLS8を用いたノックダウン実験から、ORAI2およびORAI3がORAI1の機能を調節すること、ならびにORAI1およびORAI2はSOCEの主な寄与因子であることが示唆された。ORAI1欠損LS8細胞では酸素消費率およびATPが増加し、ミトコンドリア呼吸の変化を示していた。これはおそらくSERCAポンプのS-グルタチオン付加による、酸化還元状態の変化およびERでのCa2+取込みの亢進と関連していた。本研究の知見は、エナメル質細胞におけるCa2+流入にはORAI1が重要な役割を果たしていることを立証し、SOCE、ミトコンドリア機能および酸化還元ホメオスタシスの間の関連性を確立するものである。

Citation: M. Eckstein, M. Vaeth, F. J. Aulestia, V. Costiniti, S. N. Kassam, T. G. Bromage, P. Pedersen, T. Issekutz, Y. Idaghdour, A. M. Moursi, S. Feske, R. S. Lacruz, Differential regulation of Ca2+ influx by ORAI channels mediates enamel mineralization. Sci. Signal. 12, eaav4663 (2019)

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2019年4月23日号

Editor's Choice

レプチンの発現を促す

Research Article

ORAIチャネルによるCa2+流入の差次的制御がエナメル質の石灰化を媒介している

Research Resources

生命樹に亘る偽キナーゼの起源と進化をたどる

近位ビオチン標識がMerlinと細胞結合タンパク質間の一連の立体配座特異的相互作用を特定する

最新のResearch Article記事

2019年10月29日号

iRhom2は胆管閉塞誘発性の肝線維化を抑制する

TLR7とTLR8はRNAウイルス感染時に単球の異なる経路を活性化する

2019年10月22日号

改変されたN-ヒドロキシピペコリン酸合成経路がトマトの全身獲得抵抗性を増強する

CD45はT細胞におけるシグナル伝達のゲートキーパーとして機能する

代謝静止状態の誘導が移行性B細胞から濾胞性B細胞へのスイッチを定義する