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近位ビオチン標識がMerlinと細胞結合タンパク質間の一連の立体配座特異的相互作用を特定する

Proximity biotinylation identifies a set of conformation-specific interactions between Merlin and cell junction proteins

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Sci. Signal. 23 Apr 2019:
Vol. 12, Issue 578, eaau8749
DOI: 10.1126/scisignal.aau8749

Robert F. Hennigan1,*, Jonathan S. Fletcher1, Steven Guard2, and Nancy Ratner1

1 Division of Experimental Hematology and Cancer Biology, Cincinnati Children's Hospital, Cincinnati, OH 45229, USA.
2 Department of Molecular, Cellular & Developmental Biology, University of Colorado Boulder, Boulder, CO 80309, USA.

* Corresponding author. Email: robert.hennigan@cchmc.org

要約

神経線維腫症2型は神経鞘腫、髄膜腫及び上衣腫を伴う、がん抑制遺伝子NF2の不活化によって生じる遺伝性腫瘍疾患である。NF2遺伝子産物Merlinには内因性の触媒活性はなく、そのがん抑制機能は、それが相互作用するタンパク質を介して発現する。本研究では、近位ビオチン標識に続く質量分析法及び直接結合アッセイを用いて、不死化シュワン細胞中の野生型及び各種変異型Merlinと会合するタンパク質を同定した。52個のタンパク質のセットを野生型Merlinに極めて近接したタンパク質として定義したところ、Merlin近接タンパク質の大部分は、細胞結合シグナル伝達複合体の成分であったことから、接着結合、密着結合及び接着斑にはその他の相互作用パートナーが存在する可能性があると考えられる。また、ホスファチジルイノシトール4,5-ビスリン酸(PIP2)と結合できない、または恒常的に閉鎖立体配座をとる変異型Merlinを用いて、Merlinの機能におけるPIP2結合の重要な役割を確認し、閉鎖立体配座のMerlinと特異的に相互作用する大規模なタンパク質群を特定した。これらのタンパク質のうち、これまでに報告されていないMerlin結合タンパク質として、主にFERMドメインを介して閉鎖立体配座Merlinと結合するアポトーシス刺激性p53タンパク質2(ASPP2、Tp53bp2とも呼ばれる)が特定された。本研究の結果から、Merlinは、細胞結合機械受容性複合体の成分であることを示し、その作用に介在する特定のタンパク質群を明らかにした。

Citation: R. F. Hennigan, J. S. Fletcher, S. Guard, N. Ratner, Proximity biotinylation identifies a set of conformation-specific interactions between Merlin and cell junction proteins. Sci. Signal. 12, eaau8749 (2019).

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