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IRF2はピロトーシスのためにGSDMD発現を転写レベルで誘導する

IRF2 transcriptionally induces GSDMD expression for pyroptosis

Research Article

Sci. Signal. 21 May 2019:
Vol. 12, Issue 582, eaax4917
DOI: 10.1126/scisignal.aax4917

Nobuhiko Kayagaki1,*, Bettina L. Lee1, Irma B. Stowe1, Opher S. Kornfeld1, Karen O'Rourke1, Kathleen M. Mirrashidi1, Benjamin Haley2, Colin Watanabe3, Merone Roose-Girma2, Zora Modrusan2, Sarah Kummerfeld3, Rohit Reja3, Yafei Zhang4, Vicky Cho4,5, T. Daniel Andrews5, Lucy X. Morris4, Christopher C. Goodnow6,7, Edward M. Bertram4,5, and Vishva M. Dixit1,*

1 Department of Physiological Chemistry, Genentech Inc., South San Francisco, CA 94080, USA.
2 Department of Molecular Biology, Genentech Inc., South San Francisco, CA 94080, USA.
3 Department of Bioinformatics, Genentech Inc., South San Francisco, CA 94080, USA.
4 Australian Phenomics Facility, John Curtin School of Medical Research, Australian National University, Canberra, ACT 2600, Australia.
5 Department of Immunology and Infectious Disease, John Curtin School of Medical Research, Australian National University, Canberra, ACT 2600, Australia.
6 Garvan Institute of Medical Research, Sydney, NSW 2010, Australia.
7 Faculty of Medicine, UNSW Sydney, Sydney, NSW 2052, Australia.
* Corresponding author. Email: kayagaki@gene.com (N.K.); dixit@gene.com (V.M.D.)

要約

ガスダーミンD(GSDMD)は、古典的および非古典的インフラマソーム活性化に応答して、カスパーゼ1、カスパーゼ4、カスパーゼ11によって切断される。切断されると、GSDMDはオリゴマー化し、細胞膜孔を形成して、インターロイキン1β(IL-1β)分泌、ピロトーシス性細胞死、さらに、現代医療における疫病である、周期熱症候群や敗血症性ショックなどの炎症性病態を引き起こす。今回われわれは、転写因子のインターフェロン調節因子(IRF)ファミリーのメンバーであるIRF2が、GSDMDの転写活性化に不可欠であることを示した。N-エチル-N-ニトロソウレア(ENU)で突然変異を誘発したマウスを用いた順遺伝学的スクリーニングにより、IRF2がインフラマソームシグナル伝達に関連付けられた。IRF2を欠損したマクロファージ、内皮細胞、複数の組織では、GSDMD発現が大幅に減弱し、これは、IL-1β分泌の低下およびピロトーシスの抑制と一致した。機構的には、IRF2は、GSDMDプロモーター内のこれまでに特性が明らかにされていないが特異的な部位に結合し、ピロトーシス実行のためにGSDMD転写を直接促進した。この単一のIRF2結合部位を破壊すると、古典的および非古典的インフラマソームの両方によるシグナル伝達が消失した。総合すると、われわれのデータは、炎症性病態の重要なメディエータであるGSDMDをコードする遺伝子の発現に関わる、主要な転写機構を明らかにしている。

Citation: N. Kayagaki, B. L. Lee, I. B. Stowe, O. S. Kornfeld, K. O'Rourke, K. M. Mirrashidi, B. Haley, C. Watanabe, M. Roose-Girma, Z. Modrusan, S. Kummerfeld, R. Reja, Y. Zhang, V. Cho, T. D. Andrews, L. X. Morris, C. C. Goodnow, E. M. Bertram, V. M. Dixit, IRF2 transcriptionally induces GSDMD expression for pyroptosis. Sci. Signal. 12, eaax4917 (2019).

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