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非競合的TNFR1阻害剤により立体構造の活性化状態を調べる

Noncompetitive inhibitors of TNFR1 probe conformational activation states

Research Article

Sci. Signal. 30 Jul 2019:
Vol. 12, Issue 592, eaav5637
DOI: 10.1126/scisignal.aav5637

Chih Hung Lo1, Tory M. Schaaf2, Benjamin D. Grant3, Colin Kin-Wye Lim1, Prachi Bawaskar2, Courtney C. Aldrich4, David D. Thomas2,5, and Jonathan N. Sachs1,*

1 Department of Biomedical Engineering, University of Minnesota, Minneapolis, MN 55455, USA.
2 Department of Biochemistry, Molecular Biology, and Biophysics, University of Minnesota, Minneapolis, MN 55455, USA.
3 Fluorescence Innovations Inc., Minneapolis, MN 55414, USA.
4 Department of Medicinal Chemistry, University of Minnesota, Minneapolis, MN 55455, USA.
5 Photonic Pharma LLC, Minneapolis, MN 55410, USA.

* Corresponding author. Email: jnsachs@umn.edu

要約

腫瘍壊死因子受容体1(TNFR1)は炎症経路の中心的なメディエーターであり、関節リウマチなど数種の自己免疫疾患と関連している。TNFR1活性化の古典的モデルの修正により、活性化は、予め会合した受容体二量体の立体構造的再構成を伴うことが示唆されている。今回われわれは、TNFR1活性化に対する低分子のアロステリック阻害剤を同定して、受容体の二量体化および機能について検討した。具体的には、蛍光寿命をベースとするハイスループットスクリーニングと、生化学的、生物物理学的および細胞試験法を用い、リガンド親和性を低下させたり受容体の二量体化を妨げることなく受容体を非競合的に阻害する低分子を明らかにした。さらにわれわれは、細胞外と膜貫通ドメインの間の動的カップリングに重要なリガンド結合ループ内の残基が、シグナル伝播に伴う立体構造のダイナミクスにおいて、重要な門番的役割を果たしていることも見出した。最後に、単純な構造活性相関分析を用いて、これらの新たに見出された分子を、効力および特異性改善に向けてさらに最適化できるだろうことを明らかにした。まとめるとこれらのデータは、TNFR1活性化のための新たなモデルを強固にし深めるものである。

Citation: C. H. Lo, T. M. Schaaf, B. D. Grant, C. K.-W. Lim, P. Bawaskar, C. C. Aldrich, D. D. Thomas, J. N. Sachs, Noncompetitive inhibitors of TNFR1 probe conformational activation states. Sci. Signal. 12, eaav5637 (2019).

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