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PKD3キナーゼはインスリンシグナル伝達を抑制することにより、コレステロールおよびトリグリセリドに対して負のフィードバックをもたらす

The kinase PKD3 provides negative feedback on cholesterol and triglyceride synthesis by suppressing insulin signaling

Research Article

Sci. Signal. 06 Aug 2019:
Vol. 12, Issue 593, eaav9150
DOI: 10.1126/scisignal.aav9150

Alexander E. Mayer1, Mona C. Löffler1, Angel E. Loza Valdés1, Werner Schmitz2, Rabih El-Merahbi1, Jonathan Trujillo Viera1, Manuela Erk1, Thianzhou Zhang3,*, Ursula Braun3,†, Mathias Heikenwalder4, Michael Leitges3,‡, Almut Schulze2, and Grzegorz Sumara1,5,§

1 Rudolf Virchow Center for Experimental Biomedicine, University of Würzburg, 97080 Würzburg, Germany.
2 Theodor Boveri Institute, Biocenter, University of Würzburg, 97074 Würzburg, Germany.
3 Biotechnology Centre of Oslo, University of Oslo, 0349 Oslo, Norway.
4 Division of Chronic Inflammation and Cancer, German Cancer Research Center (DKFZ), 69120 Heidelberg, Germany.
5 Nencki Institute of Experimental Biology, PAS, 02-093 Warsaw, Poland.

§ Corresponding author. Email: grzegorz.sumara@uni-wuerzburg.de

* Present address: Li Ka Shing Knowledge Institute (LKSKI), St. Michael's Hospital, M5B 1W8 Toronto, Canada.

† Present address: National Core Facility for Human Pluripotent Stem Cells, Oslo University Hospital, 0372 Oslo, Norway.

‡ Present address: Tier 1 Canada Research Chair in Cell Signalling and Translational Medicine, Memorial University of Newfoundland, A1B 3V6 St. John's, Canada.

要約

ジアシルグリセロール(DAG)によるタンパク質キナーゼC(PKC)アイソフォームの肝臓での活性化は、インスリン抵抗性を促進し、2型糖尿病(T2D)発現の原因となる。近縁のタンパク質キナーゼD(PKD)アイソフォームは、DAGおよびPKCに対するエフェクターとして作用する。本研究では、PKD3が肝細胞に発現する主なPKDアイソフォームであり、脂質の過剰負荷によって活性化されることを明らかにした。PKD3はAKTキナーゼおよび機構的ラパマイシン標的タンパク質複合体1および2(mTORC1およびmTORC2)などの下流インスリンエフェクターの活性を抑制した。マウスのPKD3の肝臓での欠損は、インスリン誘導性の耐糖能を改善した。PKD3非存在下におけるインスリンシグナル伝達の亢進は、SREBP(ステロール調節配列結合タンパク質)を介する脂質生成を促進し、その結果、高脂肪食を与えたPKD3欠損マウスの肝臓中のトリグリセリドおよびコレステロール含量を増加させた。逆に、恒常的活性型のPKD3変異体の肝臓特異的な過剰発現は、インスリン誘導性シグナル伝達を抑制し、インスリン抵抗性を誘発した。本研究の結果から、PKD3は肝臓での脂質生成に対してフィードバックをもたらし、インスリンシグナル伝達を抑制することが示された。このため、PKD3活性の操作により、肝臓中の脂質含量を低下させ、肝臓でのインスリン感受性を改善することができると考えられる。

Citation: A. E. Mayer, M. C. Löffler, A. E. Loza Valdés, W. Schmitz, R. El-Merahbi, J. T. Viera, M. Erk, T. Zhang, U. Braun, M. Heikenwalder, M. Leitges, A. Schulze, G. Sumara, The kinase PKD3 provides negative feedback on cholesterol and triglyceride synthesis by suppressing insulin signaling. Sci. Signal. 12, eaav9150 (2019).

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