• ホーム
  • T細胞由来の可溶性糖タンパク質GPIbαがワクチンアジュバントMDPによって活性化されたヒト単球のPGE2産生を仲介する

T細胞由来の可溶性糖タンパク質GPIbαがワクチンアジュバントMDPによって活性化されたヒト単球のPGE2産生を仲介する

T cell-derived soluble glycoprotein GPIbα mediates PGE2 production in human monocytes activated with the vaccine adjuvant MDP

Research Article

Sci. Signal. 08 Oct 2019:
Vol. 12, Issue 602, eaat6023
DOI: 10.1126/scisignal.aat6023

Fengjie Liu1,*, Yukinori Endo1,*,†, Tatiana Romantseva1, Wells W. Wu2, Adovi Akue3, Rong-Fong Shen2, Hana Golding1, and Marina Zaitseva1,‡

1 Division of Viral Products, Food and Drug Administration, Silver Spring, MD 20993, USA.
2 Facility for Biotechnology Resources, Food and Drug Administration, Silver Spring, MD 20993, USA.
3 Flow Cytometry Core, Center for Biologics Evaluation and Research (CBER), Food and Drug Administration, Silver Spring, MD 20993, USA.

‡ Corresponding author. Email: marina.zaitseva@fda.hhs.gov

* These authors contributed equally to this work.

† Present address: Division of Biotechnology Research and Review I, Center for Drug Evaluation and Research (CDER), Food and Drug Administration, Silver Spring, MD 20993, USA.

要約

微生物産物の類似体を含有するワクチンアジュバントは、単球やマクロファージなどの抗原提示細胞のパターン認識受容体(PRR)を活性化し、プロスタグランジンE2(PGE2)を放出させ、結果として、ワクチン接種者に望ましくない炎症反応や発熱を引き起こす可能性がある。今回われわれは、ムラミルジペプチド(MDP)アジュバントで活性化されたヒト単球によるPGE2産生の機構を検討した。MDPアジュバントは、細胞質のヌクレオチド結合オリゴマー化ドメイン2(NOD2)を活性化する。ウサギにおいては、MDP投与によって、初期にPGE2 が増加し、続いて発熱が生じた。ヒト単球においては、MDP単独ではPGE2産生は誘導されなかった。しかし、CD3ビーズで分離したT細胞から得た培養上清(Tc CM)の存在下で、MDPにより活性化された単球から、多量のPGE2と炎症性サイトカインIL-1βおよびIL-6が分泌されたが、CD3ビーズを用いずに分離したT細胞の培養上清存在下では、そのような分泌は認められなかった。質量分析と免疫ブロットにより、Tc CM中の共刺激因子は糖タンパク質Ib α(GPIbα)であることが明らかになった。GPIbαまたはその受容体Mac-1インテグリンを、抗体で遮断すると、MDP+Tc CMによって活性化された単球におけるPGE2、IL-1β、IL-6の分泌が阻害された一方、組換えGPIbαタンパク質は、MDP処理単球によるPGE2 産生を増加させた。In vivoでは、MDP投与後のMac-1ノックアウトマウスの肝臓と脾臓において、投与を行った野性型マウスと比較して、COX2 mRNA存在量が低下した。われわれの結果から、MDPで活性化された単球によるPGE2および炎症性サイトカインの産生は、NOD2を介してMDPによって伝達されるシグナルと、T細胞由来GPIbαによるMac-1の活性化を介するシグナルの、2つのシグナル伝達経路の協同作用によってもたらされることが示唆される。

Citation: F. Liu, Y. Endo, T. Romantseva, W. W. Wu, A. Akue, R.-F. Shen, H. Golding, M. Zaitseva, T cell-derived soluble glycoprotein GPIba mediates PGE2 production in human monocytes activated with the vaccine adjuvant MDP. Sci. Signal. 12, eaat6023 (2019).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2019年10月8日号

Editors' Choice

PAFとインフラマソーム

Research Article

T細胞由来の可溶性糖タンパク質GPIbαがワクチンアジュバントMDPによって活性化されたヒト単球のPGE2産生を仲介する

CARD9は樹状細胞が誘導するLyn欠損症関連自己免疫および炎症性疾患の発症をもたらす

Ca2+排出ポンプであるPMCAが膜近傍のCa2+を除去し、ストア作動性Ca2+流入およびNFAT活性化を促進する

最新のResearch Article記事

2026年02月17日号

GPR97/ADGRG3のテザーアゴニストによる活性化は好中球の極性化と遊走を誘導するが、ベクロメタゾンではそのような作用は認められない

2026年02月17日号

ミクログリアの反応性と神経炎症誘発性動機付け行動変化はOrai1カルシウムチャネルにより調節されている

2026年02月10日号

トリプルネガティブ乳がんではmTORC2構成要素PRR5によるIQGAP1の安定化が分裂促進性のLINC01133-ERKシグナル伝達を媒介している

2026年02月10日号

急性白血病における発がん性チロシンキナーゼシグナル伝達の動的フィードバック調節

2026年02月03日号

潰瘍性大腸炎におけるサイトカインネットワークを解読して発症機構と治療標的を特定する