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CARD9は樹状細胞が誘導するLyn欠損症関連自己免疫および炎症性疾患の発症をもたらす

CARD9 mediates dendritic cell-induced development of Lyn deficiency-associated autoimmune and inflammatory diseases

Research Article

Sci. Signal. 08 Oct 2019:
Vol. 12, Issue 602, eaao3829
DOI: 10.1126/scisignal.aao3829

Jun Ma, Clare L. Abram, Yongmei Hu, and Clifford A. Lowell*

Department of Laboratory Medicine and the Program in Immunology, University of California, San Francisco, San Francisco, CA 94143, USA.

*Corresponding author. Email: clifford.lowell@ucsf.edu

要約

CARD9は、C型レクチンシグナル伝達と抗真菌性免疫に関与する骨髄細胞の免疫アダプタータンパク質である。CARD9は、関節リウマチ、IgA腎症、強直性脊椎炎、炎症性腸疾患(IBD)などの自己免疫疾患および炎症関連疾患に関係している。Lyn欠損(Lyn−/−)マウスは自己免疫とIBDの両方の影響を受けやすいため、Lyn−/−マウスモデルを用いて、これら疾患の発症におけるCARD9の免疫学的役割を調べた。CARD9の遺伝子欠失は、Lyn−/−マウスの自然発症自己免疫疾患とDSSまたはIL-10欠損関連大腸炎の両方の発症を減らすのに十分であることがわかった。機構的には、CARD9は、樹状細胞ではLynを介したToll様受容体(TLR2およびTLR4)シグナル伝達の重要な構成要素であったが、マクロファージでは、そうではなかった。Lynが存在しない場合、CD11b-Syk-PKCδ-CARD9経路を介したシグナル伝達が増幅され、TLR誘導性の炎症性サイトカイン産生の増加を導いた。CARD9の樹状細胞特異的欠失は、樹状細胞特異的Lyn欠損マウスで観察された自己免疫および実験的大腸炎の発症を低減させた。これらの発見は、CARD9を標的とすることで、樹状細胞による炎症を軽減することにより大腸炎と自己免疫の発症を抑制しうることを示唆している。

Citation: J. Ma, C. L. Abram, Y. Hu, C. A. Lowell, CARD9 mediates dendritic cell-induced development of Lyn deficiency-associated autoimmune and inflammatory diseases. Sci. Signal. 12, eaao3829 (2019).

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