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TFEBは脂肪細胞におけるPGC-1αの発現を誘導し、食事誘発性代謝障害から防御している

TFEB drives PGC-1α expression in adipocytes to protect against diet-induced metabolic dysfunction

Research Article

Sci. Signal. 05 Nov 2019:
Vol. 12, Issue 606, eaau2281
DOI: 10.1126/scisignal.aau2281

Trent D. Evans1, Xiangyu Zhang1,2, Se-Jin Jeong1,2, Anyuan He3, Eric Song1, Somashubhra Bhattacharya1, Karyn B. Holloway1,2, Irfan J. Lodhi3, and Babak Razani1,2,4,*

1 Department of Medicine, Cardiovascular Division, Washington University School of Medicine, St. Louis, MO 63112, USA.
2 John Cochran VA Medical Center, St. Louis, MO 63106, USA.
3 Division of Endocrinology, Metabolism, and Lipid Research, Washington University School of Medicine, St. Louis, MO 63112, USA.
4 Department of Pathology and Immunology, Washington University School of Medicine, St. Louis, MO 63112, USA.

* Corresponding author. Email: brazani@im.wustl.edu

要約

TFEBは、オートファジー-リソソームの生合成および脂質異化に関与する遺伝子のネットワークを標的とすることで、アテローム性動脈硬化症などの代謝性疾患からの防御に寄与する、塩基性ヘリックス・ループ・ヘリックス転写因子である。本研究においてわれわれは、脂肪細胞および脂肪組織の生理におけるTFEBの役割を明らかにし、脂肪細胞特異的なTFEB過剰発現による肥満治療の可能性を評価することに取り組んだ。その結果、脂肪細胞特異的にTFEBを過剰発現する(Adipo-TFEB)マウスは、食事誘発性肥満、インスリン抵抗性、および代謝の悪化から防御されていることを明らかにした。Adipo-TFEBマウスは代謝率の亢進により主として痩せ型であった。このことは、褐色脂肪組織の誘導および脂肪における非ふるえ熱産生亢進に対するTFEBの役割を示唆している。転写特性解析から、TFEBはオートファジーに関与する遺伝子よりも、褐色脂肪組織の誘導に関与する遺伝子を標的としていたことが明らかにされた。そのような遺伝子の1つは、TFEBの確立された標的であり、褐色脂肪細胞誘導を促進するPGC-1αをコードしていた。TFEB過剰発現の下流の影響の仲介におけるPGC-1αの役割を検討するため、脂肪細胞特異的にPGC-1αを欠損し、TFEBを過剰発現するマウスを作製した。PGC-1αを欠損しているとき、褐色脂肪組織の誘導と有益な代謝効果の誘導に対するTFEB過剰発現の能力は鈍化した。まとめるとこれらのデータは、PGC-1α依存性の褐色脂肪細胞誘導制御因子としてのTFEBを示し、代謝疾患の治療におけるその治療能力を示唆している。

Citation: T. D. Evans, X. Zhang, S.-J. Jeong, A. He, E. Song, S. Bhattacharya, K. B. Holloway, I. J. Lodhi, B. Razani, TFEB drives PGC-1α expression in adipocytes to protect against diet-induced metabolic dysfunction. Sci. Signal. 12, eaau2281 (2019).

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