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ストレス活性化プロテインキナーゼHog1によるチオールベースの直接的危険感知
Thiol-based direct threat sensing by the stress-activated protein kinase Hog1
Sci. Signal. 26 Nov 2019:
Vol. 12, Issue 609, eaaw4956
DOI: 10.1126/scisignal.aaw4956
Angel Guerra-Moreno1, Miguel A. Prado2,*, Jessie Ang1,*, Helena M. Schnell1, Yagmur Micoogullari1, Joao A. Paulo2, Daniel Finley2, Steven P. Gygi2, and John Hanna1,†
1 Department of Pathology, Brigham and Women's Hospital and Harvard Medical School, Boston, MA, USA.
2 Department of Cell Biology, Harvard Medical School, Boston, MA, USA.
† Corresponding author. Email: jwhanna@bwh.harvard.edu
* These authors contributed equally to this work.
要約
酵母のストレス活性化プロテインキナーゼHog1は浸透圧ストレスの媒介におけるその役割がもっとも知られているが、同様に、ヒートショック、小胞体ストレスおよびヒ素など機構的に異なる種々の環境ストレス要因によっても活性化される。浸透圧ストレス応答において、このシグナルはHog1の上流で感知され、キナーゼカスケードを通じてHog1に伝えられる。今回われわれは、触媒ループに隣接して保存されている3つのシステイン残基を必要とする直接的な物理的相互作用を通じてHog1がヒ素を感知しているという、Hog1の機能様式を明らかにした。これらの残基はHog1を介したヒ素に対する防御に不可欠であり、浸透圧ストレスに対する応答には不要であり、また細胞がヒ素に曝露されたときのHog1の核内移行を促進していた。Hog1は、転写因子Yap8のリン酸化を刺激し、Yap8の核内移行を促進し、唯一既知であるYap8の標的であるARR2およびARR3の転写を刺激することで、ヒ素の解毒を促進した。ARR2とARR3はいずれもヒ素の排出を促進するタンパク質をコードしている。類縁のヒトキナーゼであるERK1およびERK2もin vitroにおいてヒ素と結合することから、これがマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)ファミリーの一部のメンバーに保存されている特性かもしれないことが示唆された。これらのデータは、ストレス活性化キナーゼがどのように個別の脅威を感知し、高度に特異的な適応応答を行うことができるのかを理解するための、機構的基盤を提示している。
Citation: A. Guerra-Moreno, M. A. Prado, J. Ang, H. M. Schnell, Y. Micoogullari, J. A. Paulo, D. Finley, S. P. Gygi, J. Hanna, Thiol-based direct threat sensing by the stress-activated protein kinase Hog1. Sci. Signal. 12, eaaw4956 (2019).